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2015年12月24日 (木)

空文化された憲法を基とする「立憲主義」は成り立ち得ない

憲法学者の三潴信吾先生から、「法治とは法律を守る事によって国を治めるという意味ではない。国を治めるために法律を用いるという意味である。法律特に成文法は絶対的なものではない。成文法を守ってかえって国を滅ぼすことになる場合がある」と教えられた事がある。

 

国家があって法律があるのであり、法律があって国家があるのではない。本末転倒してはならない。

 

法律を守ってさえいれば、國は安泰であるというわけではない。悪法を守ると国がおかしくなる場合がある。「現行占領憲法」はその典型である。だから政府自身が憲法違反・解釈改憲をせざるを得ないのである。「現行憲法に違反するから、国を守るために外敵と戦ってはいけない」などという事があっていいはずがない。

 

国家緊急の場合は「超法規的措置」が必要な場合がある。法律を頑なに守っていては、明治維新は断行できなかった。「現行憲法」を頑なに守っていては、国を守ることはできない。

 

「現行占領憲法」は「戦勝國による日本占領基本文書」であり、二度と再びわが國が米英支ソに対して立ち向かふことのないようにすることを目的として押しつけられたのである。だから、「交戦権」も「戦力」も「陸海空軍」も持つことを許されなかった。

 

しかし、現実にわが國に存在する自衛隊を見て、「戦争をするための組織でなく、國際紛争を解決するために武力による威嚇や行使を行ふ組織でもなく、陸海空軍ではなく、戦力も交戦権も持っていない」などと思っている人はいない。

 

自衛隊は事実としては、立派な陸海空軍によって構成される國際紛争を解決することを目的とした國軍であり、武力の行使又は威嚇を行ふ組織であり、戦力も交戦権の保持している。いざとなれば戦争を行う組織である。

 

そして、この自衛隊という名前の陸海空軍によって、わが國の安全・独立・治安が守られてきている。この事実は、自衛隊が違憲であるか否かに関わらず、国民大多数の合意になっている。このことによっても「現行占領憲法」が如何に現実を無視しており、空文となっているかは火を見るよりも明らかである。空文化された憲法を基とする「立憲主義」は成り立ち得ない。

 

吉田茂総理(当時)は、昭和二十一年六月に國會で「第九条第二項において、一切の軍備と國の交戦権を認めない結果、自衛権の発動としての戦争も、また交戦権も放棄したのであります」と述べた。これが『現行占領憲法』の立法意志であり、まともな解釈である。

 

したがって、「現行憲法」がある限り、自衛隊は憲法上、「軍」として認知されず、何時までも誰かが言った「違憲合法」といふ絶対矛盾の存在であり続けなければならないのである。國防に関してはわが國は法治國家ではない。政府自らが憲法違反といふ大罪を犯しているのだから、國民の遵法精神が希薄になるのは当然である。

 

國の独立と安全を守ること即ち國防は、最も重要な國家機能である。多くの國では憲法で國民の國を守る義務を定め、また軍保有とその指揮系統を明確に規定している。國家存立の基本たる國防が、「解釈改憲」「違憲合法論」で成り立っている状況は何としても是正されるべきだ。

 

「憲法守って國滅ぶ」という言葉はまことに真實である。極論すれば、國家基本問題においては『現行占領憲法』に違反してこそ、日本は正常な國になるのである。正統性が全くない押しつけ憲法である『現行占領憲法』に何が書かれていようと、一切これを無視するくらいの気持ちがなければ「憲法守って國滅ぶ」という言葉が現實のものとなる。

 

平和の前提は、國家の独立・民族の自立である。國家の独立を維持し、民族の自立を守り、平和を維持し実現するために國防力・軍事力が不可欠である。

 

冷戦終結後、わが國を取り巻く軍事・安保情勢はかえって厳しくなってきている。何時熱戦が始まるか分からない。だから東南アジア諸国をはじめとした國際社会は、わが國が主権國家として安全保障問題・平和維持に主体的に取り組み、積極的な貢献することを期待している。

 

國防戦争・自衛戦争まで「悪」として否定し、憲法に國防が明確に規定されていないという欺瞞的にして危険な状況を一刻も早く是正することが必要である。

 

「現行憲法」を否定して、自衛隊を國軍として正しく規定し、國家には独立と安全を保つために自衛権・交戦権を有すると明確に憲法に規定すべきである。

 

ともかく、『現行占領憲法』は、その制定過程ばかりでなく内容も正統性は全く無い。この憲法がなくならない限り日本は真の独立國とは言へないし、日本の真の再生はあり得ない。それどころか『現行憲法』がある限り國體破壊が進行していく危険があるし、祖国日本の独立と平和を守ることができない。

 

法治国家の国民である以上、法は守らねばならない。しかし、今日の日本は成文法の根幹たる「憲法」が正統性を失っているのである。現代日本の混迷と堕落と危機の根本原因の一つはここにある。正統なる憲法を回復した時、はじめて『立憲主義』が正しく確立するのである。

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