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2015年12月 3日 (木)

この頃詠みし歌

赤く燃え夕日が沈む時にしも彼方より呼ぶ声聞こゆるごとし

 

それぞれの人生を歩み行くものを今朝は行列して登校する兒等

 

キリストへの信を描きしルオーの絵 暗き色彩で描かれてをり

 

歌舞伎座で芝居を見たる思ひ出は「三波春夫特別公演」

 

懐メロ大会の楽屋で会ひし歌手たちのその殆どはこの世を去りぬ

 

虎ノ門の雑踏を歩き日本でテロが起らぬことを祈れり

 

人類の進歩と調和といふ言葉いよいよ空しきテロの続く時代

 

白人もキリスト教徒も殺戮の歴史を持つを忘れるべからず

 

神は偉大と叫びつつ殺戮を繰り返すを狂気と断じて済まされはせず

 

何時ものやうに坂を上りて会ひに行けば母はにこやかに喜びたまふ

 

我に会へば本当に嬉しさうな顔をする母はいとしも今日もまた会ふ

 

通夜が終はり帰り行く道 賑はへる人々の群れは何時もの如く

 

建物が全て建て替へられにける街に迷ひて彷徨ひ歩く

 

「月よりの使者」といふ歌を歌ひつつ見上げる空に半月浮かぶ

 

柔和なる面差しで語る人の心に 秘めたる思ひは強く厳しき

 

生きてゆくことを肯ひ一歩一歩進み行く我を神よ護らせ

 

靖國の宮をこぼたんとする輩この日の本にゐるが悔しき

 

餓死自殺一家心中のニュース続く何とも悲しき経済大国

 

長州藩ゆかりの寺の退耕庵 岸信介の文字は鮮やか

 

杖つきて去り行く老女の後ろ影 まだまだ強く生きてゆくらむ

 

雑踏をかき分けにつつ東福寺の紅葉の庭を経巡りにけり

 

雑踏の中を歩みて南禅寺山門に至る紅葉の季

 

五右衛門が絶景かなと叫びたる南禅寺山門を仰ぎたりけり

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