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2015年9月 3日 (木)

領土問題について

 現在わが国は、ロシアとの北方領土、共産支那及び台湾との尖閣諸島、韓国との竹島問題を抱えている。このうちロシアは北方領土を七十年、韓国は竹島を六十年以上不法占拠している。尖閣諸島だけは辛うじてわが国が実効支配している状況にある。

 

 問題なのは、これらの領土に限らず、この後に、沖縄、対馬などへの領有権主張や排他的経済水域の線引き問題がひかえていることだ。それだけに、この時点で国家として領土に対する確固たる方針を確立し毅然として対処しなければ、不法に占拠されている領土は返ってこないし、次々と領土を侵食される恐れがある。

 

 わが国のような海洋国家にとって島嶼は国境線となる。この国境線を定めるのは民族の伝統的生活空間である。ということは、国境線は民族の盛衰(生活力・生命力の強弱)に比例して拡大、縮小するということだ。加えて国境は政治的、軍事的な力量によって大きく変動し、場合によっては他国から侵略され併合される危険もあるのである。したがって平和外交によって領土問題を解決するなどと呑気なことを言っていられなく場合が大いにあるのである。

 

 ある地政学者は「国境は前進する」と喝破したが、これは一面の真理であり、国境の向こう側即ち日本から見るとロシア・韓国・共産支那・台湾の国境線がわが国に向かって前進して来る危険があるということである。もちろん、他国の領域を侵犯し併合することは国連体制下では違法行為だ。

 

 しかし、領土侵犯に対して国連が有効な措置をとってくれるわけではない。共産支那のチベット侵略支配を見ればそれは明白である。

 

 排他的経済水域での不法行為も同じだ。要は自助による権利擁護・領土防衛が基本なのである。具体的な何の努力もしないでただ「何処何処は日本固有の領土だ」とわが国政府が権利を主張したところで、相手国の侵略によって権利そのものが消滅してしまう危険があるのだ。

 

 寸土をおろそかにすれば、それは他の領土の喪失につながる。相手の弱みの付け込み、足元を見て、次々に領土権主張を拡大してくるのが、国際社会の常識だ。ロシアや韓国や共産支那のこれまでのやり方はまさにそれだ。

 

 情勢が自国にとって不利な時は問題を先送りし、状況が有利になると一方的に自国の主張を押し通すのは、共産支那の外交の常套手段である。

 

 「日中平和条約」締結(昭和五十三年)当時は、旧ソ連の圧力を受け、またベトナムとの関係緊迫のために条約の早期成立を求めていた共産支那は、尖閣問題を先送りすると言明した。ところが、平成四年になって共産中国は「領海及び関連海域法」なるものを公布、一方的にその領有を宣言したという経緯がある。

 

 さらに注目すべきは、同法が「これら諸島嶼と大陸間の海域を中国の“内水”とする」と規定している点だ。もし、共産支那のこの主張を認めれば、東シナ海、南シナ海の大部分は共産中国の「内水」わが国対外貿易の命脈であるシーレーンは共産支那のコントロール下に置かれる。

 

南シナ海においても、共産支那は軍事力一方的な既成事実化を謀っている。わが国も死活的な国益を守るために尖閣諸島そして東シナ海において相応の決意を表明し実行すべきである。

 

 共産支那では古くから沖縄を自分の領土だとする主張が強い。韓国でも対馬の領有権主張が根強くある。全くうかうかしてはいられないのである。

 

 これらの領土問題で、わが国政府は古文書に基づく歴史を根拠として反論している。そして当面は相手国を刺激しないように“冷静”を旨としている。

 

 このような軟弱な姿勢が、実効支配の容認につながり、また強引で新たな実効支配を誘引する原因になっている。その上、不当な排他的経済水域の線引きをさせる結果にもなっている。

 

 それ故必要なのは、日本政府は第一に、これらの問題になっている島嶼の領有権擁護について国民に日本の主張の正当性を周知徹底せしめること。第二に日本政府と国民がこれらの問題になっている島嶼の領有権擁護について確固たる信念を示し、国際世論にそれを周知せしめること。第三に、領有権擁護のため経済制裁、自衛権発動を含む対応措置を策定することである。これによりはじめて領土の保全を確保し得るのである。

 

 「彼の強大さに萎縮し、円滑を主として、曲げて彼の意に順従する時は、軽侮を招き、好親かえって破れ、ついに彼の制御を受けるに至らん」との西郷隆盛の遺訓は、現在でも外交の基本指針である。 

 

 わが国は一個の独立国家として、外国に屈従する事なく、不当な領土権主張に対して、勇気を持って対処すべきである。そのためには、「新安保法制」は必要不可欠である。

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