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2015年7月21日 (火)

深谷隆司氏の正論を紹介します。

620回「道理を通すことが大事」

 

 深谷隆司の言いたい放題第620

 

 「道理を通すことが大事」

 

集団的自衛権の限定行使を含む安全保障法案が16日衆議院において可決された。

 

その後の内閣支持率や安倍総理に対する支持率は急落し、支持しないに逆転された。しかし、私は世論調査の結果は想定内のことと思っている。

 

はっきりいって安全保障問題は人気取りの政策ではなく、逆に国民の反発を受けやすいテーマだ。しかし、「今そこにある危機」から政治は決して目をそらしてはいけない。たとえ当面国民の批判を浴びても為すべきことを果たすのが政治家の使命なのである。

 

おそらく安倍総理の心の中には、祖父岸信介元首相が昭和26年安保関連法案を通した時の光景が鮮明に浮かんでいたのではないか。

 

あの頃、若かった私は何度も目前に広がる革命を思わせる大衆デモを固唾を呑んで見つめていた。国会周辺は連日20万人を超える群集で埋まり、今にも国会に乱入するかのようなすさまじい状況で、女子大生の死まであった。

 

あの時の怒号やシュプレヒコールも「戦争反対」一色で今回と変わらない。あれから長い年月が経つが日本は一度も戦争に巻き込まれていない。彼らの主張がうそ偽りであったことは歴史の事実が証明しているのである。

 

 

審議時間は116時間を越えている、この種の法案としては十分だ。野党も本会議場に入って討論もしている、これでは強行採決とはいわない。与党の自民党、公明党のほか次世代の党も賛成し、衆議院の3分の2を超えている、採決に瑕疵はない。

 

拙速と野党は言うが、私から見れば彼等の方に問題意識と危機意識が決定的に足りなかったからだと思っている。

 

テレビを見ていると、どの局も反対者を繰り出して「戦争反対」「孫や子を戦争に狩り出すな」など、およそピント離れな主張一色だ。これでは世論が批判多数になって当然ではなか。

 

 

中国は軍事拡張、軍事的台頭をつづけ、南シナ海で7つの人工島を作り、東シナ海でも日中中間線に沿って海洋プラットホーム建設を進めている。国際的非難などどこ吹く風である。北朝鮮は核・ミサイル開発を継続し、その上国内の混乱を考えれば明らかな脅威だ。一方で世界の警察官であったアメリカは、その役割をオバマ大統領が言うように(20139)完全に後退させ、防衛費も削減して頼りない。

 

こうした中、一国のみで自国の安全を守れる国はなく、日本としても米国をはじめとする友好国との理解を深め、共同であらゆる事態に対処する必要がある。

 

09年に政権を得た民主党も集団的自衛権容認を模索したことがあった。鳩山政権で見直しの検討に乗り出し、菅政権では集団的自衛権行使が出来ないとする従来の憲法解釈を批判、野田首相は旧来の制度慣習の見直しを通じて、安全保障協力手段の拡充を図るべきだと提言している。自衛隊のリスクをめぐる情緒論を軸に危険性をあおり、政治不信を起こさせてきた岡田代表も、平成262月の予算委員会で「集団的自衛権を認める余地があってもいい」と発言している。野党になったらくるくる内容が変わる政治家など信用できない。

 

国民の理解が足りないと言うが、まさにこれから良識の府(?)と言われる参議院での審議が始まる。

 

野党だからと言って、やたらと世論に迎合し感情論を振り回していてはならない。真剣に国の守りに資する議論をしてもらいたい。安倍総理も国民の理解を求めてさらに真摯に、臆することなく語り続けて欲しい。

 

 「それが道理を通す」ということなのである。

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