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2015年7月28日 (火)

黒田勝弘産経新聞ソウル駐在特別記者兼論説委員による「国交正常化五〇年ー日韓関係の過去・現在・未来」と題する講演内容

五月九日に行われた『アジア問題懇話会』における黒田勝弘産経新聞ソウル駐在特別記者兼論説委員による「国交正常化五〇年ー日韓関係の過去・現在・未来」と題する講演内容は次の通り。

 

「『韓国は疲れるよね』という事らしいのである。反韓・厭韓感情がそうさせる。私が韓国に行って三十数年になる。私は昭和十六年生まれなので今年七十三歳。韓国に毎日住んでいる。朝から晩まで韓国のテレビ・新聞の日本批判ばかり見ている。二十四時間韓国にいるだけに反日だけではない情報もある。セオウル号事故の時も『日本ではこういう事は起きない。日本の経験を参考にして、自分たちもこうすべきだ』という報道や情報も沢山流されている。経済問題でも然り。そういう部分で癒される。日本を先進国と見ている。日本を乗り越えたとは思っていない。日常生活では『日本に学べ』というところがある。

 

韓国の『反日』の反作用で日本は『厭韓・嫌韓』になっている。メディアやネットの反日情報が日本の主な韓国イメージになっている。だから『韓国は疲れる』ということになる。これは仕方がないしどうにもならない。韓国人は日本に疲れていない。韓国人は『日本は誤った歴史認識を持って世界で大きな顔をしている』と思っている。

 

慰安婦問題の誤報の原因は『朝日新聞』の過剰な贖罪意識にある。朝日新聞の植村隆記者が慰安婦第一号の金学順という老婦人のことを最初に報道。金学順はピョンヤンのキーセン検番に売られた。十八歳になって養父に中国に連れて行かれ、売られた。そして客を取った。その客がたまたま日本兵だったということ。三か月でやめてコリアンの男性と結婚。これを従軍慰安婦として日本が何処までも責任を持つべきなのか。養父が中国に連れて行って売ってしまったという事は書かない。

 

私が韓国に関心を持ったきっかけは一九七一年八月に最初に韓国に行ったこと。過剰な贖罪意識では見えないところがある。従軍慰安婦問題は韓国人の業者が騙して連れて行ったというのが圧倒的。『日本軍が管理しているから大丈夫』と言って連れて行った。贖罪史観ではそういう事は出てこない。誇張される部分がある。対中・対韓外交に影響を及ぼす。

 

韓国は『日本の良心的勢力と連帯する』と言うが『良心的勢力』とは『朝日新聞』。昔は『産経』が良心的メディアだったが今は『朝日』が良心的メディア。加藤君(注・産経新聞の加藤達也前ソウル支局長)の事件は、韓国政府は国内メティアとは喧嘩できないが、日本メティアはいじめやすいから起きた。欧米メディアとも喧嘩できない。加藤君をスケープゴートにして国内メディアに警告した。日本のメディアが韓国に最も影響力が大きい。日本メディアの報道が逆流して韓国に伝えられる。韓国社会に対して日本の影響力は強い。

 

朴槿惠大統領が理事をしていた団体と同じビルに産経の支局があり、エレベーターで挨拶もしたし付き合いもあった。しかし彼女は人間嫌い。とくに政治家を信用しない。朴正煕が亡くなった後、取り巻き連中から裏切られた。彼らが朴正煕時代を否定・批判しバスを乗り換えようとしたことが朴槿恵のトラウマになった。権力に近づいて来る人を信用しない。人を信用しないために孤独。部下の報告も書面で上げさせる。直接会わない。世間も狭く人材の幅も狭い。子供の頃は大統領官邸で生活。首脳会談や国際会議に出ると最高。語学が出来て物怖じしない。堂々としている。名誉大統領ならいい。しかし、実際の政治はできない。政治的リーダーとしては今一。就任後二年半たっても何の業績も無い。朴槿恵は中国経由で北を動かしたい。

 

日韓関係五十年で日本が韓国の発展に如何に寄与したかを日本側が主張しなければならない。韓国の教科書で日本の貢献を書いているのは一冊のみ。それも一行だけ。その教科書を採用した高校は全国で三校のみ。韓国の教科書も左翼的。だから日本側から言ってやらねばならない。南北の経済力格差は二十対一。南北格差は、日本との関係の違い。北は日本との関係を拒否。韓国は早くから日本と協力関係。

 

韓国は中国に呑みこまれつつある。地政学的・歴史的に韓国は身過ぎ世過ぎで中国に挨拶をせざるを得ない。利の為にそうせざるを得ない。一般国民は中国が嫌い。中国人も韓国が嫌い。韓国の中華料理はまずい。韓国人は中国文化を評価していない。中国への関心・憧れは少ない。しかし中国のパワーを見ると恭順の姿勢を示さねばならない。引っ越しできない相手なのだから新しい価値を見つけて付き合うべし」。

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