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2015年7月30日 (木)

この頃詠みし歌

 

やすらぎて眠らんとすれど冷蔵庫の音が響きて妨げにけり

 

パチンコ屋より出で来し老婆の険しき眼 一体いくら損したと言ふか

 

錻力屋といふ看板をめづらしみ見つつ谷中の夕暮をゆく

 

牧水の白鳥の歌を朗々と吟ぜし人は今すでに亡き

 

根岸なる子規庵に来て藤の花の歌思ひつつ庭を眺むる

 

實朝の悲しき歌を口ずさみ八幡宮の石段をのぼる

 

あかね雲夕暮の空に広がりて束の間に夜の帳下りたり

 

台風が近づく日の午後 青空がほの見えてなほぞ心騒立つ

 

坂をのぼり来たれる床屋で鬱陶しく伸びし毛髪を刈りてもらへり

 

夏の日は髪の毛を短く刈り上げて さはやかに過ごすを喜びとする

 

インクとか萬年筆との縁が切れただひたすらにキーを叩きゐる

 

靖國のみやしろに人々多く来て御霊拝ろがむことの尊さ

 

我もまた尊き命を国のため捧げし人々を拝ろがまつる

 

靖國の宮居のベンチで支那人が語り合ひゐるをいぶかしみ見る

 

昭和といふ時代に生きし人々の歌懐かしみ今宵讀みゐる

 

過ぎゆきし時を思へり三十年前の短歌雑誌の歌を讀みつつ

 

歌讀めば面影浮かぶ懐かしさ 逝きにし人の魂(たま)の訴へ

 

坂道を下れは根津の街となり酒場の灯りが我を誘へり

 

巷といふ言葉の似合ふ根津の街 夕暮時の人の賑はひ

 

久しぶりに満員電車に揺られをり大手町駅より千駄木の間

 

蒸し暑き日に降り出せし雨に濡れ シャワーを浴びたる心地するなり

 

苦しみて往きにし父の写し絵に真向かへば今更に悲しみ深し

 

安らかに眠りたまへと祈りつつ苦しみし父の遺影を拝む

 

老人医療のむごき現実を身にしみて知りたり父母の老いと病で

 

胃瘻などせぬ方が良かったと今さら悔いても詮方も無し

 

胃瘻せし父を偲べり苦しみを延ばせしのみかと悔いる心に

 

白衣の天使といふ言葉などは嘘なりと思ふことありしこの十年間

 

老舗なるとんかつ屋に一人座りつつ肥満を恐れず食しゐるなり

 

忘却とは忘れ去る事なりといふ言葉この頃妙に浮かび来るなり

 

心こめ手紙を書きたりこの國を憂ひゐる人への返り言として

 

一杯のビール飲み干しさてこれからうまき物をば食さんと思ふ

 

バス待てばやがて来たれるものなれば人々は列をなして待ちゐる

 

似非憲法護りて国を滅ぼさんとする輩あり「九条の会」

 

政治スローガンの如き歌は好まねど怒りの心から出づる言葉か

 

泣き叫ぶ辻元某女日本の女性の恥と自らを知れ

 

政治家の質の低下といふ言葉この頃しみじみとうべなひてゐる

 

とくとくと政府攻撃する議員の醜き顔がテレビに映る

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