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2015年7月 1日 (水)

『特別展 錦絵誕生250年 春信一番! 写楽二番! フィラデルフィア美術館浮世絵名品展』を参観して

今日参観した『特別展 錦絵誕生250年 春信一番! 写楽二番! フィラデルフィア美術館浮世絵名品展』は、「今から250年前の江戸中期に登場した、色鮮やかで錦のように美しいことから『錦絵』と呼ばれる多色摺の浮世絵展である。錦絵の登場は、人々の暮らしにゆとりが生まれ、様々な町人文化が花開いた江戸という時代に起きた色の革命である。実はこのことは、カラーの印刷物をふつうに庶民が楽しむという、世界を見渡しても類を見ない奇跡的な出来事でした。浮世絵は、現在、世界各地の美術館に所蔵されているが、なかでもアメリカ北東部にある全米屈指の美術館であるフィラデルフィア美術館には、4000点以上の浮世絵コレクションがあります。しかしながら、これまでほんの一部の作品が里帰りしただけで、その全体像が日本に紹介されたことはなかった。。今回、三井記念美術館で開催される「春信一番!写楽二番!」展では、フィラデルフィア美術館が誇る浮世絵のコレクションから、150点の名品を厳選し日本で初公開します」との趣旨で開催された。

 

錦絵誕生以前の鳥居派の役者絵などの初期浮世絵からはじまり、錦絵草創期の鈴木春信(はるのぶ)の作品を中心に、黄金期の鳥居清長(きよなが)、喜多川歌麿(うたまろ)、そして希少な東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)の大首絵までを展観。加えて葛飾北斎、歌川広重の風景画から上方浮世絵が展示されていた。

 

初代鳥居清信「二代目市川団十郎の鳴神上人と中村竹三郎の雲の絶間姫」、鈴木春信「やつし芦葉達磨」、初代喜多川歌麿「歌撰恋之部 稀ニ逢恋」、東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」、葛飾北斎「富嶽三十六景 凱風快晴」、流光斎如圭「初代尾上新七の一色結城守」、歌川国芳「かごのとりすゞめいろどき」が素晴らしかった。

 

絵画彫刻などの美術作品は時代が下ると共にすぐれた作品になるとは限らない。むしろ古い時代の方が良き作品が多い。しかし、錦絵は時代が下がるにしたがって、作品が見事になっている。新しい分野の芸術だからであろうか。

 

喜多川歌麿・葛飾北斎・東洲斎写楽の作品がやはり印象に残った。歌麿の美人画、北斎の風景画、写楽の役者絵はやはり見事であった。武家の生まれた人が絵師になることが多いようだった。やはり泰平の世であったからだろう。

 

錦絵は江戸期の庶民に愛された芸術であり、且つ、今日に於いてもその芸術的価値を失わないどころか、益々高くなっていることに驚きを感じざるを得ない。しかし、何故海外にかくも多くの作品が流出してしまったのか、不思議である。

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