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2015年6月11日 (木)

この頃詠みし歌

去り行きし友一人あり悲しくもわが饒舌の罪は深きか

 

えらいことになりにけるかなわが部屋の水道管から水噴き出しぬ

 

水道管より水が噴き出し大慌て日常生活に波乱起これり

 

埋め立てられしところにビルが林立す 地震大国日本の首都

 

そのかみのピアノの音色と美しき女(ひと)の横顔甦り来る

 

コンクリートの上に粉々に砕け散りし蛍光灯は無機質の滅び

 

わが話を熱心に聴く人の集ひなば我も滔々と自説を語る

 

五十代に見えると言はれ喜びて隣席の人と酒酌み交はす

 

南無観世音 祈りの言葉を捧げまつり明日の一日の幸を祈らむ

 

ともかくも生きて来しなりこれからも生きてゆくべし命の限り

 

老いし母が我が名と息子であることを忘れることのなきが嬉しき

 

時々に我に向かひておじいちゃんと言ひたまふなり老いたる母は

 

年々に人は老いゆくを肯ひて今朝も鏡のわが顔を見る

 

知らざりし事を教へられし書物をば有難きかなと撫ぜにけるかも

 

妻も無く子も無き我はさみしくも一人で朝餉を食しゐるなり

 

パクパクとよく食べる母 羊羹を喜ぶ笑顔の何とやさしき

 

若き友が明るく語る真昼間は我の心も励まされゐる

 

明るき笑顔の職人さんに真向ひて寿司食す我も明るき心

 

一人静かにもの書く時はわがを心鎮ましめつつ筆運ぶなり

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