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2015年2月15日 (日)

『物語絵 - <ことば>と<かたち>』 展を参観して

本日参観した『物語絵 - <ことば>と<かたち>』 展は、「物語絵とは、仏教説話や古典文学から象徴的な場面を抜き出して、それを絵にあらわしたものです。この日本の物語絵には、描かれた情景ー『かたち』とかならず原典ー『ことば』があります。物語絵において、この二つはいつも『ことば』から『かたち』へ、という一方向の関係を結ぶ訳ではなく、互いに響きあい、時には絵画の方が物語世界に新しい生命を吹き込んでいたのです。今展では、全体を6つのテーマに分け、その二つの要素が結びつき紡ぎだす物語絵の魅力にせまります」との趣旨で開催された。(案内文) 

第1章 物語絵の想像力 ―〈ことば〉の不確かさ 第2章 性愛と恋 ―源氏絵を中

心に 第3章 失恋と隠遁 ―ここではない場所へ 第4章 出世と名声 ―成功と失

敗をめぐって 第5章 荒ぶる心 ―軍記物語と仇討ち 第6章 祈りのちから ―神

仏をもとめて」という構成で展示されていた。

「扇面法華経冊子断簡 平安時代 重要文化財」 「源氏物語図屏風(部分) 岩佐

勝友 江戸時代」 「西行物語絵巻(部分) 絵/俵屋宗達 詞/烏丸光広 寛永7

1630) 重要文化財」 「宇治拾遺物語絵巻(部分) 絵/住吉具慶 詞/伝 烏丸

光雄ほか 江戸時代 重要美術品」 「平家物語 一の谷・屋島・壇ノ浦合戦図屏風(部

分) 江戸時代」 「天神縁起 尊意参内図屏風 室町時代 重要美術品」などを観

る。江戸時代の作品とくに俵屋宗達の作品が多かった。

原稿書きで疲れた私の心を癒してもらいたいと思い参観した。私は、『黒田節』が好

きなのだが、その中に、「峰の嵐か松風か 尋ぬる人の琴の音か 駒ひきとめて 立

ち寄れば 爪音高き 想夫恋」というの一節がある。今日展示されてゐた『平家物語

小督図屏風』の解説を読んで、この『黒田節』の一節は、『平家物語』に由来するこ

とはを初めて知った。

平家物語の一節の「峰の嵐か松風か 尋ぬる人の琴の音か おぼつかなくはおもへども、駒をはやめて行程に、片折戸したる内に、・・・ 」という流麗な調べがもとになっている。「平家物語」「太平記」などという日本の物語は、まさに人に語って聞かせる「語り物文藝」であるので、その調べも実に美しい。

高倉天皇の寵愛を受けていた小督局(こごうのつぼね)は、中宮が太政大臣平清盛の娘であったので、清盛の威勢を憚り、姿を隠してしまった。高倉天皇は弾正大弼仲国に小督局の行方を捜させた。仲国は、嵯峨野に隠れ暮らしていた小督の居場所を突き止める。小督局は、折からの中秋の名月に琴を弾じて心を慰めていた。その奏でる「相夫恋」の曲を聴き、仲国は小督に、高倉天皇からの文を渡し、返書を受け取った仲国は、舞を舞って小督を慰め帰って行く、という何ともゆかしい物語である。小生はこの正月、嵯峨野を訪ねたので、余計印象的であった。

 

合戦の絵などは実に緻密に描かれていた。いつも感心するのだが、出光美術館は規模は大きくはないが、価値が高いと言われる美術品を数多く所蔵している。東京では、山種美術館と並んで、小規模ながら内容が充実した美術館である。出光美術館は、とても便利なところにあるのでよく参観する。

 

 

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