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2015年2月 3日 (火)

この頃詠みし歌

篤き病ひと聞きし友の電話の声明るく響けば安堵の思ひ

 

幾十年交はり来りしわが友よすこやけくあれとただ祈るなり

 

友どちが血を吐きたりと聞きし夜 命とえにしを深く思へり

 

父母の暮らせし部屋を掃除する 二人とも再び帰り来ることなし

 

何をしても母の苦しみが思はれて心乱るる生みの子われは

 

金平糖を一つづ食しその甘き味に幼き日を思ひ出す

 

白鳥となりて故郷に帰りたまひし やまとたけるの美しき最期

 

下弦の月さやかに浮かぶ下町の夜を歩めば心も冴える

 

眠らむとする時に聞こゆるサイレンは都会の生きる不安の響き

 

靖國の宮居に参る人多く冬の日照りて世は平和なり

 

日の本は神のまもらす國なれば平和なるかな今日のこの日も

 

酒呑みて心うるほふ夕暮の駅前の蕎麦屋のあるじの笑顔

 

目つき鋭き男の人と目が合ひて早く降りたくなりしバスかな

 

朝明けて山の彼方に射し昇る日の光仰ぎ手を合はすなり

 

甲斐の國山の彼方に見ゆるなる富士山頂の姿麗し

 

冬の日の甲斐の山々眺めつつ友と語らふひと時ぞ良し

 

遠き山は雪に覆はれ寒々と氷山の如くに光りゐるかも

 

年老いし母と共に過ごす時間大切にして今日も共にゐる

 

弱りたる母の手を取りなぐさめて励まして過ごす施設の小部屋

 

一日おきに母に会ふことをつとめとし今日も夕暮の町でバスを待つ

 

大ジョッキ二杯焼酎水割り二杯呑みまだ呑み続ける隣の客は

 

小ジョッキ一杯と水割り一杯呑みしのみで たらふく食して店を出る我

 

親の仇と思ふほかなし患者をば物の如くに扱ひし医師と看護師

 

心やさしき人の歌をば讀みにつつ心やすらふ我にしありけり

 

彼方なる国に旅立ちしわが友の無事祈るなり冬の朝(あした)

 

むごき事起り続けるこの世界それでも神仏に祈るほかなし

 

神の救ひ神の愛とは何なるか砂漠の大地に殺戮止まず

 

緑無く水も少なき砂漠の地 闘争の歴史とどまることなし

 

 

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