« 千駄木庵日乗二月十五日 | トップページ | オピニオン雑誌『傳統と革新』第十八号  »

2015年2月16日 (月)

この頃詠みし歌

 

思ひ出の教会学校今もあり本郷西片の静かなる町

 

死とは何かと問ふ時拝ろがむ父の遺影今日も笑顔で我を見つめる

 

父は今も吾を見守りたまふなりと深く信じて祈り捧げる

 

幼き日に我が買ひ来し木刀を昭和一新刀と父は名付けたり

 

花屋より届けられたる花束を仏前に飾るを喜びとする

 

この家のあるじの姿暫く見ず寒椿の花咲きてをれども

 

文明の進歩極まりし二十一世紀野蛮の極致の悲劇続けり

 

果物も野菜も山の如くにも並べられゐる飽食の國日本

 

客引きの若者たちの姿無し氷雨降りゐる上野広小路

 

遠くより聞こえ来るなる幻の太鼓の音は悲しかりけり

 

炭火といふものをこの頃見ずなりてなべて電気に頼る生活

 

独裁者の顔を写真で見比べて毛より蒋の方がイケメンに見ゆ

 

道で会ひし友が連れたる小さき犬わが足にじゃれつく好ましさかな

 

幼子を叱らずやさしくあやしゐる母親の姿に好ましきかな

 

一時間半待ちて漸く客が乗り来しと我に嘆けるタクシー運転手

 

新宿の西口に立ち演説す 空晴れわたる建国記念日

 

一神教の争ひ止まず血が流れこの世の地獄を現出しをり

 

イスラムのことを書きたる文章を読み返しつつ夜更けを過ごす

 

水清く緑美しき日の本に生まれ来しことを喜びとする

 

渇きたる砂漠の国に生きてゐる人々の信ずる神を思へり

 

山の上の大き巖に神ゐますと人ら信じてみ祭りをする

 

日輪の輝く下に鎮まれる大き巌に神ゐますと言ふ

 

昭和維新を目指せし人々の文章を讀みつつ現代の危機を思へり

 

命懸けて國を救はむとせし人らの強く激しき文章を讀む

 

谷中なる古き酒房であるじ殿と語らひにつつ酒酌む夕べ

|

« 千駄木庵日乗二月十五日 | トップページ | オピニオン雑誌『傳統と革新』第十八号  »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/61145338

この記事へのトラックバック一覧です: この頃詠みし歌:

« 千駄木庵日乗二月十五日 | トップページ | オピニオン雑誌『傳統と革新』第十八号  »