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2015年2月10日 (火)

大和魂は外来文化を包容してきた重層的な日本文化の中核である

東京裁判史観・自虐史観とは、「米英支蘇」は善人であり悪いことは何もしなかった、日本は悪人であり悪い事しかしなかったといふ史観である。別の言ひ方をすれば、欧米列強の切り取り強盗し放題は許されるが、日本がやったことは防衛の自存の為の戦ひであっても侵略と見なすといふ史観である。近代日本の歩み、とりわけ、明治維新から大東亜戦争敗戦までの歴史について、いかに考へるかが、今日の日本にとってきはめて重要な問題である。

 

現代日本の危機は単に制度・機構の問題から来てゐるのではない。むしろ、精神的な堕落と道義の頽廃がその根本原因である。祖國の歴史に対する誇りと自尊心を喪失し、謝罪を繰り返す日本の在り様がその根底にある。現代日本とりわけ若い世代の人々は、近代日本の光輝ある歴史を正しく認識してゐない。むしろ、近代日本史の負の部分・暗黒面のみしか知らない。それは大東亜戦争の敗北によって、正しい歴史教育が行はれなくなったことが原因である。

 

 われわれ日本人は、國家の危機を打開するために、近代日本の歴史に対する正しき認識を持たねばならない。東亜の解放・自存自衛の戦ひであった昭和十年から二十年までの大東亜戦争、言ひ換へると明治維新以来の「攘夷の戦ひ」の総決算であった大東亜戦争が、勝利といふ結果を得る事ができなかった原因は何処にあるのかを、我々は正しく認識しなければならないと思ふ。

 

近代日本が、國家として武力や経済力などの点で、西洋と対等の力を持つのが何よりの急務であった。日本が自立・独立の道を歩むには、欧米の文明文化を採り入れいわゆる「富國強兵」「殖産興業」の道をとらざるを得なかった。西洋に追ひつき追ひ越すのが、近代日本の急務であった。

 

近代日本における西洋の學問・藝術・産業・科學技術などの吸収は、すさまじいものであった。欧米の圧迫に対峙して、日本國の生存・自立・独立を維持し発展を實現せんとする意識即ち國民主義がその根底にあった。

 

「攘夷のための開國」「夷を以って夷を制す」とは、日本の独立維持・発展のために西欧文化・文明を學ぶといふことである。ただしその根底に「和魂」があった。否、あるべきであった。ところが和魂・日本傳統精神が「洋才」によって隠蔽されてしまった面があった。そして、西洋よりも優ってゐるもの、西洋が學ばねばならないものが日本にあることを、日本國民が自覚し、世界に発信することがおろそかになってゐた。

 

「大和魂」「日本精神」が単なる標語となりスローガンとなりイデオロギー(独善的観念大系)となってしまふことは、「日本精神」「大和魂」の本義を否定することとなる。

 

日本精神・大和魂とは、外来の文化文明を包容し摂取してきた重層的な日本文化の主體であり中核である。わが國傳統精神は、イデオロギーではないし、さういふものと同列に論じるべきではない。もっと高次元のものである。

 

日本精神とは、日本民族の實際生活の中から生まれた天皇仰慕・天神地祇崇拝(祖先と自然の靈を尊ぶ心)・父母兄弟を尊ぶ心である。そこから明朗心・清明心・武の心・慈しみの心・むすびの心などの倫理精神が生まれた。これは日本民族の稲作生活と一體である。

 

安岡正篤氏は、「日本精神そのものは、日本として真に日本たらしめてゐるあるもの、これなくば日本及び日本人が、存立できないものであって、斯くの如きものは、概念的に説明できるものでない。冷暖自知する以外にない。」と論じ、村岡典嗣氏は、「日本精神はその本来の丹き心、又は正直に徹することに於いて、苟(いやし)くも人類の創造した一切の価値を摂取し、動かして、新たな文化を建設し、以て自己を實現し得る。」と論じてゐる。

 

秩序だった理論大系はもとよりないのである。言挙げせぬ國が日本の傳統だからである。しかしこれは見方を変えれば、柔軟にして強靭である。「柳に雪折れ無し」で、良きものはどんどん採り入れ、合はないものは捨て、日本民族の自主性は失はない。これが日本精神であり、大和心である。

 

「明治維新」も「大化の改新」も、外國から具體的改革策を取り入れつつ大きな変革を行った。しかし根本には尊皇愛國・敬神崇祖・萬民和楽の日本精神があった。それを基礎としての具體的改革であった。日本精神は窮屈なイデオロギーとしての理論大系であったのではない。イデオロギーとなってしまったら、左翼の公式主義と同じになる。日本精神はもっと大らかなものである。

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