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2014年11月13日 (木)

天皇の日本國御統治・國土経営の理想

天照大御神は邇邇藝命に『天壤無窮の神勅』と共に『斎庭(ゆにわ)の穂(いなほ)の神勅』をお下しになった。

 

『斎庭の穂の神勅』には、「吾が高天原(たかあまはら)の所御(きこしめす)す斎庭(ゆにわ)の稲穂を以て、亦吾が兒(みこ)に御(まか)せまつる」(わが高天原でつくってゐる神に捧げる稲を育てる田んぼの稲穂をわが子にまかせよう、といふほどの意)と示されてゐる。

 

『斎庭の穂の神勅』は、日本民族の生活様式が水田耕作の上に立ってゐることを物語る。そして、天皇の日本國御統治・國土経営の理想を示してゐる。

 

『斎庭の穂の神勅』は、「高天原で神々が行はれてゐる米作りをそのまま地上でも行ひなさい」といふ御命令である。皇祖神・天照大神は、稲穂を邇邇藝命に伝持させ、その稲穂を地上において栄えさせるといふ使命を歴代の天皇に与へられたのである。

 

天照大神から皇孫・邇邇藝命に「斎庭の穂(ゆにわのいなほ)」を授けられたのは、高天原の稲を地上に移し植えて日本國を「豊葦原の瑞穂の國」とするのが、天皇のご使命であり民族の使命であるといふことを示してゐる。

 

稲の種子を伝へるといふことは、米作りの生活を伝へることである。「米作り」といふ「くらし」の伝承である。これは、米作りを基盤とする文化が日本文化であることを証ししてゐる。

 

古代日本人は、天上から伝へられた斎庭の穂を地上に稔らせることによって、地上と天上とが等しくなると信じたのである。神々の米作りの手振り・くらしを、地上に生きる人々が神習ふ信仰である。神々の理想を地上において実現することである。

 

「天孫降臨神話」は、稲穂がにぎにぎしく稔る國を地上に実現することが天皇のご使命であり日本民族の理想であることを物語ってゐる。

 

「高天原を地上に」「今を神代に」といふのがわが國の國家理想であり、天皇はその国家理想現成の中心者であらせられるの。このやうに素晴らしい國は世界に日本しかない。これを萬邦無比といふ。

 

「天孫降臨神話」は、まさに日本人の「米作りのくらし」の中から生まれてきたのである。高天原から天降られた永遠の生命は、一粒の稲穂の命・一人の人の命の中に宿られてゐると信じたのである。

 

邇邇藝命は天つ神がお授けになっ稲穂を奉持して、真床追衾(まとこおふふすま)に包(くる)まれて地上の高千穂の峰に天降られた。

 

「真床追衾」とは、床を覆ふ夜具で、おくるみ(赤ん坊を抱く時、衣服の上からくるむもの)のやうなものとされる。

 

つまり、天照大御神は、「おくるみ」に包まれた邇邇藝命に稲穂を託され、葦原中国(地上)にたくさんこの稲穂を稔らせなさいと御命令になったのである。そのことが、天皇国日本の肇国なのである。何とも平和的にして、ゆかしくも麗しい神話である。

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