« 千駄木庵日乗十一月十三日 | トップページ | 千駄木庵日乗十一月十四日 »

2014年11月14日 (金)

日本の伝統精神・国家観・人間観を回復するべし

「くに(国)」という言葉は色々な意味に使われる。「国のために尽くす」とか「国を愛する」と言う場合の「国」とは、「精神共同体」=道義国家たる「国」である。一方、「国に税金を取られる」とか「国に対して訴訟を起こす」という場合は「権力機構」としての「国」である。

 

 今日この「国」という言葉が非常に混乱して使われている。「大して国民のためにもならないのに沢山の税金を取るような国、国民から訴訟を起こされるような国を愛することは出来ないし、そんな国に尽くすことは出来ない」という考えを持つ人がいる。

 

 しかしこれは「国」というものを混乱して考えているのである。我々国民が愛するべき国、尽くすべき国とは、単なる権力機構でもないし利益共同社会でもない。信頼と正義と愛と真心によって結ばれた精神的道義的共同体なのである。

 

 現代日本の多くの人々は、愛国心を喪失し、自分さえ良ければ他人はどうなってもいいなどという利己的な精神に冒されたかに見える。そうした文字通り「亡国的状況」を是正するためには、正しき国家観の確立が行われなければならない。

 幾億人と存在する人間というものにもそれぞれ個性があるように、国家というものも、世界の多くの国々にはそれぞれに個性があり特殊性がある。

 

 日本という国には民族的個性がある。と言うよりもむしろ民族的個性を離れては国家は存立し得ない。日本という国そして日本人という民族の主体的歴史性、風土、信仰精神の意義を正しく把握してこそ、正しき国家観を持つことができるのである。

 

 人間の道義精神・道義に則った生活の実現も、そして道義国家・人倫国家の回復も、抽象的な「人類普遍の原理」などによって為され得るものではない。道義精神は、それぞれの国の歴史伝統・民族信仰の中から培われるものである。

 

 倫理・道義とか信仰精神というものは、それぞれの民族精神としてのみ表現されてきている。民族的歴史性・個性を通して表現されない普遍の原理などというものはありえない。たとえあると錯覚しても、それは抽象的な観念に過ぎない。その意味において「人類普遍の原理」などと言って欧米民主主義思想を基本原理としている『現行占領憲法』は無国籍憲法なのである。 

 

 日本という国家には日本の長き歴史の中から生まれてきた立国の精神というものがある。日本という国は、日本民族の生活と自然環境・風土の中からの生成して来た。日本民族の生活の基本は稲作である。日本人の主食は米である。

 

 稲作に欠かすことのできない自然が太陽であり大地である。その太陽と大地を神として拝んだ。その太陽の神が天照大神である。また大地の神は国津神として祭られた。また稲穂そのものも神の霊が宿っているものとして尊んだ。

 

 天照大神をはじめとする天津神・国津神および稲穂の霊をお祭りされ、国民の幸福と五穀の豊饒を祈られる祭り主が、「すめらみこと」即ち日本天皇であらせられる。

 

 そして天照大神は太陽神であるのみならず、天皇の御祖先でるあると信じられた。天照大神は「日本国に沢山稲を実らせなさい」という御命令を与えられてその御孫神であられる邇邇藝命を地上に天降らせられた。その邇邇藝命の御子孫が神武天皇であらせられ、大和橿原の地に都を開きたまい、初代天皇に御即位あそばされた。

 

『教育勅語』に示されている「皇祖皇宗」の「皇祖」とは、天照大神及び邇邇藝命の御事であり、「皇宗」とは神武天皇の御事である。 日本国家の存立の精神的中核はこのような信仰精神にあり、日本という国家は天皇を祭祀主とする信仰共同体なのである。ゆえに日本国は天皇国といわれるのである。

 

永遠の維新を繰り返す日本国は永遠に不滅である。而して、我々の目指す維新とは、国家の日本的変革である。天皇中心の信仰共同体としての国家を回復せしめることが今日における国家変革即ち維新なのである。

 

 麗しき日本の自然は破壊されつつあり、人間の命すら科学技術文明・機械文明によって蝕まれつつある。こうした状況を打開するには、真に生命を尊重する精神を国民一人一人が保持しなければならない。そのためには日本人が古来抱いて来た自然の中に神の命を観るという信仰精神を回復することが大切である。

 戦後七十年、物質至上主義・営利至上主義・快楽主義に汚染され続けてきた日本及び日本国民の頽廃を救うには、日本の伝統精神・国家観・人間観を回復する以外に道はない。

|

« 千駄木庵日乗十一月十三日 | トップページ | 千駄木庵日乗十一月十四日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/60648340

この記事へのトラックバック一覧です: 日本の伝統精神・国家観・人間観を回復するべし:

« 千駄木庵日乗十一月十三日 | トップページ | 千駄木庵日乗十一月十四日 »