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2014年11月 8日 (土)

「現行憲法三原理」の否定なくして「憲法改正」にも「自主憲法制定」にもならない

アメリカ製の『現行占領憲法』が、諸悪の根源になっていることは、多くの人々が指摘する通りである。それは『現行憲法』が、日本の傳統や文化とは相容れない西洋政治思想(主權在民論・契約國家思想・權力國家思想・西洋的君主論・個人主義・物質主義)に基づいており、日本國體・日本傳統精神を隠蔽しているからである。

 

戦後日本は「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を絶対的価値、最高の目標としてきた。それは『現行占領憲法』の基本原理となっている。しかし、戦後約七十年を経過して、人権が侵害され、人命が軽視され、国民の平和が侵される残虐無比の事件が日常茶飯事になるというまったく逆の結果を生み出した。

 

「人権擁護」とか「人命尊重」とか「平和」とかがいくら麗々しく憲法の原理として書かれていても、それは空念仏にすぎなかった。むしろそういう原理に基づく戦後教育は、自分さえよければ良いという観念を養い、他人や国のために尽くす、親に孝養を尽くすという人倫の根本を忘却せしめた。そして、己の権利のみを主張する精神が横溢した。こうしたことが今日の日本を作り出した。

 

今日の日本を混迷に陥れている根本原因である『現行占領憲法』の「国民主権」という國體破壊思想、「恒久平和主義」といふ名の侵略誘発の敗北思想、「基本的人権の尊重」という欲望民主主義・利己思想という三原理に要約される「戦後精神」を徹底的に祓い清めなければならない。日本國の根幹を揺るがせ、日本国民の道義心を低下せしめている『現行憲法』の三原理を肯定したままで一部の条項を変えるだけの「改憲」では駄目である。

 

憲法は「不磨の大典」と言われるが、「不磨」であるべきなのは、「國體法」である。「政体法」は必要に応じて改正されるべきである。すなわち、天皇を君主と仰ぐ國體は絶対に変革されてはならない。しかし、政体は民の幸福のためになるのならどんどん変革すべきである。

 

今日、『現行憲法』の「三原理」が「不磨の大典」のように論じられている。近年各方面から出された「改憲草案」はそのほとんどが「現行憲法」の「三原理」を継承している。

 

自民党の「日本国憲法改正草案」には「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三つの原則を継承しつつ、日本国の歴史や文化、国や郷土を自ら守る気概などを表明」などと書かれている。戦勝國によって押し付けられた理念であり、わが國の國體と合致せず、戦勝國に対する敗戦国日本の詫び証文である『現行占領憲法』の「前文」に書かれた「三原則」を「不変の価値として継承する」などといふのでは、憲法改正でも自主憲法制定でもない。この草案通りの憲法が制定されれば、日本を混迷に陥れた「三原則」が押し付けではなく、國民の意志によってこれを憲法理念とすることとなる。まさに亡國のはじまりである。

 

法治国家の国民である以上、法は守らねばならない。しかし、今日の日本は成文法の根幹たる「憲法」が正統性を失っているのである。現代日本の混迷と堕落と危機の根本原因の一つはここにある。

 

『現行占領憲法』は制定当初から正当性がなかったのである。それは、現行憲法が帝国憲法を改正したものだなどという自体が欺瞞だからである。天皇大権が占領軍の隷属の下にあった占領期間中の改憲は「摂政を置くの間之を変更することを得ず」という帝国憲法の条項に明確に違反しているのである。

 

終戦後六十年以上を経過して、愈々益々終戦直後の、戦勝国によるわが國の伝統破壊・弱体化政策を原因とする様々な問題が噴出してきている。しかもそれは、わが国存立の根幹をも揺るがしかねない事態となっている。

 

しかし、『現行憲法』の「主権在民論」=国民主権論こそ、日本の國體を隠蔽し破壊する元凶である。「国民主権論」は、西洋や支那大陸のような君主と人民とが「國家意思を最終的に決定する権限」を奪い合った歴史は全くない君民一体の信仰共同体たるわが國の國柄と絶対相容れない國體破壊につながる思想である。

 

『現行憲法』の「平和主義」「国際協調」とは、「我が國は侵略戦争をした悪い國であった。今後は武力・戦力・國軍を持たない。侵略阻止のための武力行使はしないし、国防戦争もしない」という敗北思想である。これこそ、日本の国防体制確立を阻害し日本国をして他国の属国たらしめる元凶である。

 

『現行憲法』の道義精神不在の「人権論」=「基本的人権の尊重」は、人権尊重・個の尊重を全てに優先させることによってかえって人権を蹂躙し、個人の尊厳性を奪うことになった今日の我が國の荒廃の根本原因の思想である。

 

「現行憲法三原理」の否定なくして「憲法改正」にも「自主憲法制定」にもならない。『占領憲法』の無効を確認することが最も正しい道である。

 

 

 

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