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2014年10月13日 (月)

ある方にお出しした手紙より

今日ある方に出した手紙の内容の一部を掲載します。

 

                ◎

貴兄が最初に訪台された次の年の昭和四十八年に、小生も初めて訪台しました。運動の先輩と一緒でした。戒厳令下でした。街角に白手ヘルメットをかぶった憲兵が交通整理をしていました。終戦直後の日本でМPが交通整理をしていた写真を想起しました。

 

しかし、同じ時期の韓国のような暗さはなかったように思います。午前十二時以降外出禁止ということもなく、全体的にはというか表面的には明るい雰囲気でした。島国であること、南国であることが関係しているのでしょう。そもそも台湾人は本来的な明るい民族で、柔軟にして強靭であります。日本人と共通するところがあります。しかしピリッとした雰囲気はありました。

 

民主化以降の台湾にも行きましたが、そうした緊張感が無くなっていることがむしろ心配になりました。昔の「新公園」は今、「二・二八記念公園」になっていますが、何とホームレスがいるのには驚きました。忠烈祠の「衛兵の交替」で衛兵をからかっている若者がいて、それを誰も止めようとしないことにも驚きました。国民党独裁体制下では即刻逮捕でしょう。何か今の台湾は日本と同じように緊張感というかピリッとしたところが無いようです。これで良いのかどうか。しかし、独裁体制よりも自由民主体制が良いことは確かです。

 

二松学舎の大先輩が当時の台湾省議会の事務総長(正式名称は忘れました。秘書長でしょう)をしておられました。お目にかかった時、私が「戒厳令は一週間か二週間で終わるのが普通ですが、何十年も敷かれっぱなしというのは台湾だけですね」と言ったら苦笑いをしておられました。

 

酒家にも行きました。日本で言えば料亭ですね。訪台する前、「台湾に行ったら支那という言葉を使ってはいけない」と言われたのですが、酒家には日本の懐メロの歌集があり、「支那の夜」も載っていました。私が「支那の夜」を歌うと拍手喝さいを受けました。もっとも一緒に呑んだ人々は、いわゆる外省人ではなく台湾人でしたが。「俵星玄蕃」も大いに喜ばれました。

 

もっと驚いたのは、台湾人の人々が、戦後国民党と共に台湾に来た支那人たちを「奴ら」「チャンコロ」と言った事です。見ると聞くとは大違いを実感し、ある種のカルチャーショックでした。

 

また当時台湾は「自由中国」という宣伝をしていました。そういう名前の政府の宣伝雑誌もあったと思います。ところが、「自由」どころではない。全くの国民党独裁体制、蒋介石独裁体制の国でした。「共匪が大陸を占拠中である」という理由で立法院委員、国民大会代表の選挙が行われなかったのですから…。

 

大衆酒場で呑んでいると、隣の席の中年男性が話しかけて来て、「あなた方は日本人ですか。私は元日本陸軍上等兵ですよ。戦争が終わって日本語はお国に返しましたが、『大和魂』は今でも持っていますよ。台湾に女を買いに来る今の日本人より私の方が『大和魂』がありますよ」と言われた時は本当に感激しました。

 

その二、三年後、自民党の青年局の訪台団に参加した時は、李煥という人に会いました。蒋経国が統括する中国青年反共救国団主任でした。後に国民党秘書長になったと思います。今『中国青年反共救国団』など言うものは無くなっているのでしょうね。国民党は第三次国共合作をしようとしているのですから…。そう言えば『中国大陸災胞救済総会』というのもありました。方治という理事長にも会いました。蒋介石の指示で琉球独立運動を支援していた人という事です。『中国大陸災胞救済総会』という団体も今は無いでしょう。

 

台湾における国民党支配体制を維持するために「第三次国共合作」を企む馬英九・連戦という今の国民党指導者は蒋介石の遺言『光復大陸国土、実践三民主義、堅守民主陣容、復興民族文化』を蹂躙していると思います。

 

しかし貴兄が言われるように、アジアにおいてそして世界において、「反中国感情」はますます高まって行くと思います。日本がそれを主体的に戦略的に主導して行くことが大事であると思います。「中華帝国主義」を粉砕せねばなりません。

 

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