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2014年9月11日 (木)

この頃詠みし歌

友達は女性を連れて去り行けり 我は一人で雨の道を帰る

 

一匹のゴキブリが床に動きをり 我以外の生物がこの部屋にゐる

 

わが祖國を貶め邪(よこしま)なる國に寄る 盲(めしひ)たる民未だ蠢く

 

父と共に生きてありし日 共に行きし阿波徳島への旅の思ひ出

 

父と共に眉山のふもとで名物のやき餅食せし遠き思ひ出

 

瞑目し神に祈れる夜の更けに命の力甦り来る

 

母上は泣きたまふなり 二日ぶりに施設を訪ねし我を迎へて

 

嗚呼かくてわが身は神に生かされてやすらけき道を歩み行かなむ

 

夕日まさに沈まむとして眩しくもわが身を照らす石段の上

 

若き友と眺めし海は今日もまたわが眼裏(まなうら)に見えて真青し(雨晴海岸)

 

憑かれたる如き顔せる老人がパチンコ店に入り行きたり

 

仏頂面の介護士を厭ふこの夕べ母のことを思へば文句も言へず

 

病人文學と蔑まれしことも一理あり 近代短歌に病(やまひ)の歌多し

 

つつましく信仰深く生きたまひし父の面影消ゆることなし

 

旺盛なる食欲の母 今日もまた 笑顔で我に真向かひてをり

 

多摩川のたもとに行きて遊びしは夢の如くに遠きいにしへ

 

肝心のことはしっかりと受け答へる母にしあればうれしかりけり

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