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2014年8月17日 (日)

繼體天皇の御事績について

皇位継承問題に関連にして、繼體天皇の御事績について誤れる論議を行う者がいる。「武烈天皇で皇統は断絶しており、繼體天皇即位は新王朝の成立である」という論議である。資料の乏しい古代歴史研究は、どうしても研究者の自分勝手なあるいは特定の意図に基づいた推論が多くなる。そしてその推論が、國體破壊の意図の下に行なわれるところに大きな問題があるのである。

最近は、皇室典範改定反対を唱える國體擁護論者・保守派と目される学者の中にも、「正田王朝」「小和田王朝」などという不穏当な言辞を平気で弄する人がいる。また、「天皇は字が読めなくても良い」などと不敬千万な事を言う者もいる。

武烈天皇の崩御と繼體天皇の即位によって、仁徳天皇の男系御子孫の皇位が絶え、応神天皇の御子孫が皇位を継承されたことになる。歴史学者の中には、これを「継體王朝」などと主張する者があるが、応神天皇は仁徳天皇の父君であらせられ、繼體天皇は仁徳天皇の弟君の御子孫であらせられる。ゆえに、繼體天皇の皇位継承は、天照大御神の生みの御子たる邇邇藝命そして人皇初代・神武天皇の皇統を継がれたことは明らかである。皇統連綿・萬世一系の道統は守られたことは明白である。また、大伴氏・物部氏などの大臣たちは皇統連綿の道統を護るために、三國から繼體天皇をお迎えしたのである。

繼體天皇が応神天皇の五世の皇孫であられることは、國史の正統なる文献であるところの『古事記』『日本書紀』に明記されていることである。さらに、前述した通り、『書紀』よりも古い文献である『上宮記』にも書かれている。繼體天皇が皇孫ではないとするのは、これらの文献の内容を嘘だと断定することである。しかも、『古事記』『日本書紀』に記されたことを嘘だと断定する根拠は、『古事記』『日本書紀』に記されている事柄に勝手は憶測を加えたものに過ぎない。

そもそも「繼體天皇」という諡号(しごう・貴人、僧侶の死後、その人の生前の行いをほめたたえておくる名。おくり名)の意味は、「天子の位を継承する。後継ぎ。継嗣」である。そして皇太子のことを「繼體の君」という。支那の古典『史記』には「繼體とは創業の王に非ず、是の嫡子先帝の正體を継ぎて立つ者を謂ふなり」と明解に示されている。「繼體」とは、「皇位を継げるのは天皇の血筋である」という道統を示したものであり、皇統及び先帝の正しい統治を継承するという意味である。繼體天皇のご即位によって別の王朝が立てられたとするのは全く誤りである。

 

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