« 千駄木庵日乗七月十日 | トップページ | 千駄木庵日乗七月十一日 »

2014年7月10日 (木)

ブルッキングス研究所主催講演会『米中関係・アジア太平洋地域と世界への影響』における登壇者の発言

五月十四日に開かれたブルッキングス研究所主催講演会『米中関係・アジア太平洋地域と世界への影響』における登壇者の発言は次の通り。

ジェイムス・スタインバーグ氏(シラキュース大学マックスウェル行政大学大学院院長・前米国国務副長官)「アジアは朝鮮戦争終了後、平和と安定に恵まれて来た。経済的奇跡を起こした。日本・韓国・中国をはじめアジア全体は経済発展を遂げた。しかし、将来は不確実性がつきまとっている。第一に、中国の抬頭がアジアにとってどういう意味を持つか。中国の国防予算引き上げが将来どういう意味を持つか。第一に悲観的見方がある。米中対立は必然で、将来必ず戦争が起こるという見方。もう一つは、米中は相互依存関係が余りに深いので、警戒しつつ協力関係であらざるを得ない、紛争を起こすことはできないという見方。習近平及びその周辺の意向が読めない。将来を確実に讀むことはできない。敵対的脅威となる行動をとるのは悲劇。戦略的相互信頼関係を作らねばならない。中国は『平和的発展』と言い続けている。しかし、言葉だけでは駄目。注意をそらすための言葉という見方がある。誤った恐怖心から相手の意図を敵対的なものと受け取ってしまう。言葉だけでは信頼醸成につながらない。具体的行動によって誤解を避けることができる。誤解に基づく恐怖を解消せねばならない。自制心を発揮する。透明性を確保する。相手が何をしているかが分かれば誤解はない。自分の意図をはっきりと明確に相手に伝えなければいけない。中国と対してもそうした方がいい。中国は自制心が欠けている。軍事予算をどんどん増やしていることに対し、アメリカは対処せねばならない。中国が『平和的発展』と言うからには、行動が伴わねばならない。中国は台湾に対し自制心を示していないので、アメリカは台湾に兵器を輸出している。中国が自制すればもっと低いコストで安全が保たれる。中国の民主化があるかどうか断定することはできない。その上で我々は戦略を立てねばならない。中国は抬頭しているのではなく復権している。復活である。中華思想を実現するとなると問題である。日本は中華思想のシステムに入ってイなかった。中国は日本の宗主国ではない。決意の本質は効果的対策を持つこと。中国が軍を上陸させれば我々は攻撃せざるを得ないかもしれない。経済制裁もあり得る。ウクライナと同じ。アメリカは効果的なことをする。核戦争を起こすことは避ける。領土紛争が起った時どちらの味方をすることになるか。日本には施政権がある。南シナ海における中国の動きに懸念する。アメリカはアセアン諸国とのつながりを深くした。アメリカはベトナムとの安保対話を拡大している。合同軍事訓練も考えられる。中国とロシアのつながりは深くなっている。中国が尖閣でレッドライン(越えてはならない一線)に踏み込んだらアメリカは必ず対応する」。

マイケル・オハンロン氏(ブルッキング研究所シニアフェロー)「宇宙のゴミが出来ている。米中戦争は宇宙での戦いになる。中国は第二の軍事大国になっている。GDPの二%を軍事費に使っている。アメリカはペルシャ湾原油を守っている。その結果、中国が経済発展をしたことを中国は理解してほしい。中国への先制攻撃の準備をしておかねばならない。日中には根深い不信がある。米中は双方とも巨大な国であるが、アメリカには同盟国であるからアメリカの方が中国より強い。人口問題はアメリカより中国の方が大変。必ずしも二十一世紀は中国の勝利とはならない。ハイテク・宇宙工学は欧米の方が進んでいる」。

田中均氏(日本総合研究所国際戦略研究所理事長、元外務審議官)「中国はアメリカの決意を試しているのではないか。オバマは、『尖閣には日本の施政下にあるから安保条約を発動させる。現状を無理に変更する動きに反対する』と言った。軍事的紛争をどう避けるかは中国側の姿勢にかかっている。中国について楽観的見方はできない」。

 

 

 

|

« 千駄木庵日乗七月十日 | トップページ | 千駄木庵日乗七月十一日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/59961656

この記事へのトラックバック一覧です: ブルッキングス研究所主催講演会『米中関係・アジア太平洋地域と世界への影響』における登壇者の発言:

« 千駄木庵日乗七月十日 | トップページ | 千駄木庵日乗七月十一日 »