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2014年7月19日 (土)

生長の家と鳩山一郎氏の「友愛精神」

鳩山一郎氏は、昭和三十年に発行された谷口雅春師との共著『危機に立つ日本-それを救う道』といふ書物の中で、「民主主義教育と生命の実相」と題する文章を書き、「私の友愛運動を簡単に要約すれば、すべての人間は神の子である、よって人々は自己を貴ぶと同時に他の人々をも貴ばねばならぬ、四海同胞の友愛精神はこの思想を基盤として発展せしめ、民主主義の徹底を期するということにある。この運動を生命の実相の立場から言えば、結局自他一体運動に外ならないのである」と論じてゐる。

 

さらに、「私は先年来『生命の実相』を愛読しているのであるが、この書に盛られている内容は、哲学、宗教、心理学、教育学等すこぶる多方面に亙っているので、簡単に名称づけることは困難である。しかし、私はこれを概評して『近代人間学』と名づけたい。更にいうならば『本来の完全なる人間』を引き出すがための『新時代のバイブル』である。私が驚異の目を輝かしたのは、仏耶神儒の神髄を打って一丸となし、恰も白湯でも飲むように吾々に提供してくれる。しかもこれを万人の生活に直結させて、大聖賢の理想を現代に活現しつつあることは敬服に値することである。(中略)『生命の実相』を宗教的方面から見た場合には、近代的な万人の宗教ということが出来る。従来キリスト教と仏教とはその教説において各々主張するところが相違い、相反し、両教互に論駁すること数百年に及んでいるのであるが、『生命の貫相』 においては、両教最大の相違点であるところの、キリスト教の所説『神が宇宙を創造した』という説に対し、仏教は『無明が宇宙を創造した』という、この相異なる両説が見事に解決され渾然と融和している。なおまた仏教が無神論に非ざる所以を解明して、ここに東西二大宗教の握手を成就せしめた点は、特筆に値すべき一大事業であると思う」と書かれている。

 

この二つの文章は、おざなりの文章ではない。相当綿密に谷口師の著書を読み、深く共感したうへの文章である。「仏教とキリスト教を融和させた」といふ評価は、『生命の実相』「萬教帰一篇」の「創世記講義」「法華経講義」などを読んだうへでないと書けない。「人間は神の子である」といふ生長の家の根本教義の政治的国民運動的実践が「友愛精神」なのである。

 

谷口雅春師は、その著『解放への二つの道』(昭和三十年発行)において、谷口氏が「鳩山一郎氏は、生長の家の『汝ら天地一切のものと和解せよ』という教えを応用して『友愛政治』ということを言い出した。生長の家の教えが鳩山氏の政治によって実現すれば『天地一切のものと和解する政治』であるから、天地間のすべてのものが喜ぶ政治が出来る。」と論じた文章を、鳩山氏が「自分の心境は此処だ」と言って、一千部注文して鳩山氏の同志に配ったと書いてをられる。

 

また、谷口師が鳩山氏に、「『天地一切のものと和解せよ』といふ生長の家の教へを実行して、吉田茂氏を憎む気持ちを捨てて、吉田氏を拝みなさい」と諭した結果、鳩山氏の病状が軽くなり、総理の重責を担えるようになったといはれてゐる。

 

鳩山一郎氏は、アメリカから押し付けられた憲法ではなく、日本人が自らの手で憲法をつくる、つまり自主憲法制定を提唱した「真正保守」の政治家だった。自由民主党初代総裁として、昭和三十年に自民党が結党された時に定められた「政綱」に、「日本の憲法を自主的に改正する」といふ結成目的を謳った。谷口雅春師も、『現行占領憲法』が諸悪の根源であると説き、『大日本帝国憲法』復元論を主張した。

 

『神社新報』平成二十年六月十六日号によると、六月五日に行われた「天皇陛下御即位二十年奉祝委員会設立総会」において、鳩山由紀夫民主党幹事長(当時)は「国賓の接遇や外国訪問は、憲法の中の国事行為には記されてをりません。私はできうれば憲法改正の議論の中で、このやうなことも、しっかりと国事行為として謳はれるべきではないかと申し上げたい。民主党の中で議論を深めたといふわけではありませんが、日本国は国民統合の象徴である天皇を元首とする民主主義国家である、そのやうに謳ふべきではないかと思ってをります」と述べた。

 

正しい発言である。「本立ちて道生ず」といふ言葉がある通り、国家基本問題とりわけ憲法が正しい姿にならない限り、日本国の真の改革は実現できないし、今日の国家的危機を打開することもできない。 鳩山由紀夫氏は、自主憲法制定を基本綱領とする自民党結党を実現した政治家である祖父・鳩山一郎氏の遺志を継承して「自主憲法制定」に今すぐ立ち上がるべきである。

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