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2014年6月20日 (金)

『東京財団フォーラム・ウクライナ危機と今後の日露の戦略的関係』における登壇者の発言

五月八日に開催された『第七八回東京財団フォーラム・ウクライナ危機と今後の日露の戦略的関係』における登壇者の発言。

 

下斗米伸夫法政大学教授「ある意味で千年の歴史。ロシア正教とカトリックの関係。そしてロシアとウクライナの関係。この二月の民主化革命の後、治安部隊が解体されてコントロールが効かなくなった。ウクライナ国家の解体過程が急速な勢いで進んでいる。一九三〇年代、三、四百万人が死んだ。ヒトラーを解放軍と見る。どれだけの血があそこで流れたのか。どれだけ歴史的に解明されているのか。東と南のウクライナで起きていることをどうやって抑えることができるのか。言語的・文化的・宗教的亀裂がある。ポーランドから見て偏狭としてのウクライナ。スターリンとレーニンがウクライナという単位にしたのが無理だった。老人にはソ連的秩序へのノスタルジアがある。分極化された世界。カトリックと正教会、スターリンとヒトラーの狭間にあるのが地政学的位置。これからどうなるのか全く分からない。西側はロシアとウクライナを引き離す戦略をとって来た。イスラエルと南ウクライナはトロツキーを含めてユダヤ人が住んでいた。クリミアの語源はユダヤ語。ガス代をどうやって捻出するのか。ウクライナを再建するにはどうするのか。クリミア戦争はトルコとロシアとのキリスト教の聖地を巡る戦争。プチャーチンの下田交渉はこの時期であった。エネルギーを含めてロシアは東にシフトしている。クレムリンに近い人も『ロシアにとって東方シフトは不可避』と言っている。日本との国境線確定をしたいのがロシアのプーチンの考え。それはエネルギーとも絡む。南にエネルギーを運ぶ入口が千島列島。アメリカは反プーチン・反ロシア感情が強いので、制裁が進んでいる。アメリカとロシアとの貿易規模は小さい。アメリカは制裁に積極的。欧州は及び腰。日本は領土問題があり、制裁に及び腰。外務大臣のロシア訪問延期が何時まで続くか。三月二七日、オバマはローマ教皇に会っている。どういう意味を持つのか。一四二〇年フローレンス会議で東西ローマが一致してオスマントルコに対峙。しかしモスクワは離脱。これがウクライナの分裂につながる。ナチスのSSがからんでいた」。

 

西谷公明国際経済研究所理事「汚職と腐敗がひどい。司法まで腐敗している。経済破綻寸前。経済の行き詰まりと社会腐敗に怒った人々がヤヌコーヴィチを打倒した。プーチンへの反発が強まった。私の知人は、胸にハーケンクロイツをつけた右翼になっていた。キエフではロシア国籍では住みづらくなっている。キエフの暫定政権は普通の市民の支持に基づいているかは問題。極右政党の幹部が暫定政権に入っている。ロシア経済は国際銘柄。グルジア侵攻の時、ルーブルが売りまくられた。その学習効果が今回はある。ロシアは輸入に依存した社会になっている。経済にボデイプローが効いている。クリミアの住民投票の前の週に米国債をすべて他国に移した。ロシアとEUとの経済関係は大きくなっている。ロシア企業がドイツに進出している。三十万人のドイツ人がロシアで働いている。経済制裁はしにくくなっている。ロシア経済は昨年から経常収支は赤字になっている。プーチンはクリミアを併合して手打ちの姿勢だ。ウクライナ暫定政権は反ロシアの姿勢が強く、手打ちできない。過激な国粋主義者の動きを抑えられるのか。ロシア経済は石油が下がらない限り致命的にはならない。ウクライナ経済が立ち行くかどうか。ウクライナは鉄を買ってもらってガスを売ってもらっている。これが出来なくなるとどうなるのか。鉄鋼生産がガタ落ちになって来る」。

 

畔蒜泰助東京財団研究員「欧州全体の三割のガスをロシアに依存している。ドイツは四三%依存。欧州はガスのロシア依存を低めようとしている。ロシアはアジアへのマーケットを拡大していかねばならない。ロシアは中国への依存を高めている。日本は良い形でロシアと交渉できる。イラク戦争のプロセスを思い出す。今回、ドイツの仲介がどうオバマ政権に影響を与えるか。五月二十九日の大統領選のペトロ・ポロシェンコ勝利をロシアは受け入れるであろう。ロシアとドイツは石油について利害が一致している。ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ政権の頃から中国場軍事技術についてコミットメントしている」。

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