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2014年5月10日 (土)

小林節慶應義塾大学名誉教授の講演内容

三月十四日に開かれた『一水会フォーラム』における小林節慶應義塾大学名誉教授の講演内容は次の通り。

 

「私は憲法改正に反対ではない。集団的自衛権の定義が混乱している。例えば、私が襲われれば私自身で報復するのが個別的自衛権。同盟関係を結んだらその同盟者が襲われたら何も考えずに飛んで行って助けるのが集団的自衛権。それが国際法の常識。

 

国際法とは国際社会の様々な条約の総称。国内法は逆らうことはできない。国際社会には中央政府がない。言わば原始社会。国際社会の慣習を書き留めたものが国際法。独立主権国家である以上、自国が攻撃された場合自国独自でやり返す『個別的自衛権』と『集団的自衛権』がある。集団的自衛権を行使すると言うことは、日本に利害がなくても同盟国が危機にあるならば集団的自衛権を行使しなければならない。

 

国家機関は国内法の制限を受けるのは国際法の常識。国内法の裏付けがなければ日本の国家機関は出て行けない。人権に関する条約は結んでも『この点に関しては留保する』ということはいくらでもある。

 

『戦争放棄』を宣言すれば戦争がなくなることはあり得ない。紙切れに『放棄』と書いて戦争がなくなるはずなし。『パリ不戦条約』に『締約国ハ国際紛争解決ノ為戦争ニ訴フルコトヲ非トシ且其ノ相互関係ニ於テ国家ノ政策ノ手段トシテノ戦争ヲ抛棄スルコトヲ其ノ各自ノ人民ノ名ニ於テ厳粛ニ宣言スル』と書かたが、その後も戦争をやり続けた。

 

侵略戦争は不正義。しかしチベット・内モンゴル・東トルキスタンで行われている。自衛戦争は放棄できないのは当たり前。不当に襲われたら抵抗するのは当たり前。他国の軍事力で運命を決めさせられることはあり得ない。侵略戦争はできないが、自衛戦争はできる。これを『日本国憲法』第九条第二項とどう整合性を持たせるかが鍵。

 

『日米安保』は片務条約ではない。日本は基地を提供している。大変なサービスをしている。思いやり予算として金まで払っている。アメリカにとって十分に双務条約。日本は劣等感を持つ必要なし。今の憲法のままではアメリカと一緒に海外に派兵できない。

 

中国が尖閣を襲ってきたら、日清戦争の二の舞。中国軍は張子の虎。日本の自衛隊はクォリティが高い。自衛隊が万一負けてもアメリカが尖閣を占領する。尖閣に中国軍の基地が出来たら、太平洋への出入りが自由になる。アメリカはカルフォルニアで敵と向き合わねばならない。

 

戦争で生命を失うのは国民。主権者国民に堂々と問いかけたら良い。国会で堂々と議論すれば良い。国民の過半数の賛成を得て憲法改正すれば良い。

 

私は愛国心が悪いと言っているのではない。憲法で愛国心を国民に押しつけるなと言っている。愛は自分の心の奥底の事。愛は他人に強制するものではない。國を見たことがありますか。国とは約束事である。抽象的法人格。自分の心の中で勝手に意識するもの。最高権力者の安倍ちゃんが法律で『僕を愛しなさい』と言うのは気持ちが悪い。国民に『この国に暮らして良かった』と思われるような政治をすべし。法と道徳を混同してはならない。

 

私はジョージ・ワシントンの肖像画を持っている。國を作ったワシントンは王様になるのを断った。『イギリスの王や貴族と戦って独立したのに、我々が王を作ってどうするのか』と言って、選挙でプレジデントを作った。終身大統領になるのも断り、二期で辞めた。

 

国王は神の血筋とされ『国王は悪事をなす能わず』と言われていた。だから絶対王制権力を縛る憲法は存在しなかった。神でない人間が大統領になった以上、権力を縛る憲法が必要になった。それが世界最初の成文憲法『米合衆国憲法』」。

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