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2014年5月28日 (水)

「東京財団フォーラム・パラドックスは起こっているか?日米韓の思惑を読み解く」における登壇者の発言

四月十一日に行われた『第七七回東京財団フォーラム・パラドックスは起こっているか?日米韓の思惑を読み解く』における登壇者の発言。

 

ジェラルド・カーチス氏「安倍外交を冷静に分析するのを難しくしているのは、安倍側近の発言によって歴史を美化しているという印象を与えていること。大変損をしている。ああいう発言をする側近は首にするとすっきりする。そうしないと、彼らが安倍の本心を話していると思われても仕方がない。南京事件で三十万殺したというのは違うかもしれない。しかし人数を言っても仕方がない。日本に何の得もない。南京事件とホロコーストを比較することに対してドイツで習近平批判があった。慰安婦問題は抗議せずに『悪いことをしました』と言えばこの問題は解決する。野田は森本を防衛大臣にした。自民党も民主党も同じような戦略を追求している。集団的自衛権に賛成している人は民主党にもいる。中国はアメリカと肩を並べる超大国になろうと努力している。アメリカはいくら努力しても一国強になり得ない。この現実を認めたうえで日本外交を考えるべし。力学が変わって来た。尖閣で衝突があった場合、アメリカが守ってくれるか確実ではない。昔は日本が戦争に巻き込まれることを心配したが、今はアメリカが戦争に巻き込まれることを心配している。靖國神社参拝に対する心配の原因はここにある。今までにない日米同盟の難しさ。中国が弱かった頃は、中国は日米同盟に反対しなかった。今は中国が強い。日米同盟を弱めることを考えている。だから、中国は靖国神社参拝を喜んでいる。日本の軍国主義が復活していると宣伝している。オバマと安倍がステージに出て、TPP合意ができたと発表することが成果。そして中国が日米同盟を弱めようとしても無理だということを示す。尖閣問題は棚上げしかない。『係争地ではないが外交問題であるから首脳同士で話し合う』とお互いに言えば、案外早く解決する。鄧小平の棚上げ論に戻す。中韓の発展に日本は貢献した。しかるに日本が攻撃されているパラドックスをどう考えるか。外国人が日本をどう見ているかを客観的に分析して自分を見ることが必要。必要最小限の集団的自衛権を承認するのは当たり前。憲法は生き物と考えているから国民のコンセンサスが変われば解釈も変わる。最終的は公明党も合意する。日本はもっと自信を持つべし。アメリカ人の日本への知識を高めるべし。日本を知ってもらうべし」。

 

川口順子氏「日本が望んでいるのは、アジアと太平洋地域の繁栄と平和。世界経済の機関車たるアジア太平洋で、この地域の平和を維持するのは日本の責任。その事へのリスクは、①北朝鮮問題。②中国の抬頭。日本は七十年以来大変なODA借款をしてきた。しかし中国は防衛識別圏・南シナ海問題で自分のロジックで進もうとしている。力を誇示している。日本とは異質の国。③韓国とも緊張関係にある。しかし中国と韓国とは識別して考えるべし。韓国とは基本的価値観を共有している。しかし歴史的には悲しいことがあった。韓国との問題は乗り越えることができる。『サンフランシスコ講和条約』『日韓基本条約』で請求権問題は解決済みで両国政府は合意している。しかし韓国の憲法裁判所は解決していないと言っている。『条約』に疑義があるのなら条約に基づいて話し合うべし。世論に動かされて日本に要求するのは良いやり方ではない。法的に解決済みであっても心の傷を持っている人は多くいることを日本人は考えねばならない。米国の力は相対的に衰えてきている。クリミア、シリアの問題はその反映。国際秩序の根本が変わっている。日米同盟を強固にすることに尽きる。日本とアメリカが一緒になってアジア太平洋の平和を守り繁栄を維持すべし。日本の経済力を強くする。アベノミックスを成功させる。日本の国際的発言力を増していく。安倍政権の外交政策の基本軸はこれまでの政策と変わらない。しかし二つ違いがある。一つは安倍氏の行動力、国会の開会中に外国に行くことをこれだけやった総理はいない。極東裁判を含む戦後処理を日本国政府は認め肯定したことを日本人は忘れてはいけない。日本が考えていることは何かをアメリカの有識者に理解してもらう努力が足りない。経済と安保は一体化している。経済が強いことが安全を保つのに大事。NATO型になるにはアジアには違いがありすぎる。機能的協力が大事。日本はロビー活動を政府の命令でやる国家ではない」。

 

 

細谷雄一氏「『日韓基本条約』『日中平和友好条約』の時期においては、中国と韓国は日本より弱かった。中韓は世論に支配されずに指導者が物事を決定できた。しかし今は世論のプレッシャー受けてその条約における合意を書き換えようとしている。海軍力に付けて『尖閣をよこせ』と言われても渡すわけにはいかない。韓国経済は日米との貿易で成り立っていた。しかし、今の韓国は中国一国との関係が日米との関係よりも大きくなっている。韓国の最大の貿易相手国の中国に接近せざるを得ない。そういう韓国と日本はどう向き合っていくのか。『サンフランシスコ講和条約』に中韓は入っていない。日本国民がアジアにどう向き合っていくのか。中国が書き換えるのなら日本は抵抗しなければならない。経済協力で違和感はなくても感情問題で対立する。メディアとインターネットが扇動的になっている。ヨーロッパでも排外的になっている。それが国民の排外感情を強め、政治指導者がそれに動かされる。日本が自己の正義を全面的に否定されたことは一回だけ。それが東京裁判。正義が失われたことへの復讐心がある」。

 

 

渡部恒雄氏「日米は同盟国だが同じ国ではない。日米協力した方がうまく行くことが多い。日本には巻き込まれの恐怖と見捨てられの恐怖とがある。集団的自衛権を行使すべきではないというのは巻き込まれの恐怖がある。今は冷静に動く時期に来ている。何をしたら日本にとって得なのか損なのか、アジア太平洋が安定するのか繁栄するのか考えるべし。そのために日米の利益は合致している。集団的自衛権に積極的に貢献してアジアを安定させる。歴史認識のような感情的・主観的な問題で近隣国家と対立すべきではない。在韓米軍がいたことが日本の安定にとって大変役に立った。韓国との関係は改善が大事。パラドックスや矛盾は歴史に沢山ある。戦後は平和国家として侵略した事もない、国際法に違反した事もないという日本をアッピールすべし。国際社会でプラグマチックに生きるべし」。

 

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申すまでもありませんが、この記事は小生のメモに基づいて書いております。文責は小生にあります。また。この記事はあくまでも報告であります。内容に小生が賛同しているわけではありません。

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