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2014年4月25日 (金)

『呉竹会アジアフォーラム十周年記念祝賀会』における登壇者の発言

三月九日に開催された『呉竹会アジアフォーラム十周年記念祝賀会』における登壇者の発言は次の通り。

 

今村洋史氏「日本は独立しているのか。中国とアメリカという二大強国の隷属下に置かれているのではないか。アメリカは新自由主義に染まり、とんでもない格差社会になっている。新自由主義は西洋覇権主義の考え方であり、社会ダーウィニズム。社会ダーウィニズムは新自由主義と通底するものがある。適者生存という言葉で表した競争の原理。ネオダーウィニズムは突然変異と自然選択を中心に置いた個体レベルの近代化論。競争の中で生きても進化は個体レベルで起こるという思想。

 

今西錦司は『種は常に一定限度の共通性を保つ。人類は共通性があるから種と呼ぶ。進化は起きているが個体ではなく種レベルで進化する。種は変わるべき時が来たら変る』という理論。今西錦司はダーウィンの競争原理ではなく、共存原理を主張した。進化の原動力は孤独と連帯にある。目指すべきは節度と良識である。人は連帯なくして生きて行けない。自由ではあるが放埓であってはならない。平等であるが画一であってはならない。合理主義ではあるが技術に対するカルト的信仰は持たない。

 

節度と良識は君民一体の風土から生まれている。天皇と臣民は対立するものではないから君民一体と言う。玄洋社の社則の条項は『皇室を敬戴すべし』『本国を愛重すべし』、『人民の権利を固守すべし』である。『皇室を敬戴すべし』があるから『本国を愛重すべし』、『人民の権利を固守すべし』がある。君民一体の風土を最も体現したのが昭和天皇。

 

チャイメリカへの隷属のきっかけは大東亜戦争の敗北。僕も周りの人と競争して生きて来た。自分の家庭を守って来た。しかし個人の競争だけでは日本の社会を保っていけない。神風特別攻撃隊の若者は自分の命を国に捧げた。自分の事だけを考えていたらできないこと。国に命を捧げてくれた人がいたから自分が生きて来ることができた。歴史の命の流れの中に自分がいると思う。英霊の方々がいて僕らがいる。この国に真の日本の姿を取り戻したい」。

 

西部邁氏「七年前、太平洋のペリリューに行った。パラオ共和国である。スペイン・ドイツを経て日本の統治下にあった。今はアメリカ。原潜の寄港地。パラオ人は学校・港・道路という長期的に役立つものを作ってくれたとして日本のみに感謝している。パラオの国旗は月章旗。青地に白。ペリリューを知っている日本人はあまりない。テニアン島を含め、マリアナ諸島の基地から日本への爆撃空路を、アメリカ兵は『ヒロヒトハイウェイ』と呼んでいた。その出発点がペリリュー。北上して東京大空襲を行った。水戸連隊一万二千人が珊瑚礁に穴を掘って米軍の猛爆撃と戦った。太平洋における日米の大激戦地。パラオ人を巻き込まず日本兵だけで戦った。現地人は遠い島から戦いの声が今でも聞こえて来ると言っていた。太平洋の至る所にそういう所がある。

 

九・一一のアルカイダの攻撃を、『やった』と言ってウチのカミさんは喜んだ。私も心の中で『やった』と思った。日本の母親は、息子が戦死しても頑張った。しかるに日本は、戦争に負けたらアメリカにすり寄った。私の敗戦の思い出は、札幌郊外の軍事基地が米軍に接収され、ジープや戦車が走り回ったこと。戦車に石をぶつけたら重砲が百八十度回った。

 

左翼とは、ルイ十四世を殺し自由・平等・博愛を叫んだ勢力。アメリカは言葉の本当の意味における左翼の国。米ソ冷戦構造とは、左翼同士の内ゲバ。左翼は近代から始まった。

 

『自由は不自由の際において生じる』と福澤諭吉は言った。自由と秩序の中でバランスを取ることが大事。平等と格差の中でどうバランスを取るかが問題。戦後、自由・平等・博愛が強調された。友愛もあり競争もあるのが人間。理性・合理の前提は合理からは出て来ない。宗教や道徳から出て来る場合がある。自由と秩序の平衡が必要。守るべきなのは節度と良識。オルテガは『左翼は右翼と同じように、人間が馬鹿になる近道』と言った。右や左の翼だけで飛行機は飛ばない。ある力を以て人為的に人間社会を設計するという考え方は間違い。近代は左右共に、設計主義に侵されている。

 

『周は旧邦なりといへども、その命これ新たなり』とは温故知新。明治維新は王政復古。地球を汚染しているのはアメリカのIT革命論。骨の髄まで腐ったように感じられる世の中に六十八年間いる」。

 

江川達也氏「一番問題なのは教育。間違った教科書を信じ込まされるのが一番の問題。自分で考えることが大切。数学は自分で考える学問。個人がマインドコントロールから抜け出すホームページを作るのが大事」。

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