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2014年4月26日 (土)

 もののふとは

 

「もののふ」とは、武人・武士のことを「やまとことば」表現した言葉である。「宮廷を守護する者」即ち「物部(もののべ)」の音韻が変化した語が「もののふ」であると言われる。「もの」とは「もののけ」の「もの」と同じで、不思議な霊力がある存在のことである。物部氏という氏族は、もっとも有力な「もののふ」だったといわれる。

 

 「物部」とは、宮廷の妨げをするものを平らげ鎮める働きをする部(世襲的に一定の職業に従事した団体)のことである。物部氏は、古代の氏族の一つで、朝廷の軍事・刑獄のことを司った。古代日本では、霊的力即ち巫術(超自然的存在が人にのりうつり、その人を通して話し、行動すること)を以て戦場に臨み、敵軍を守る精霊を鎮める役目を果たす者たちが「もののふ」(物部)であった。

 

 

物部氏は饒速日命の後裔にして武勇を以て聞こえた家柄で、神武天皇に奉仕し、御東征の折に大和で長髄彦を討って勲功があった。大伴氏と共に宮門を護衛し、軍事を担当した。これが後世武士の起こる濫觴とされている。用命天皇の崩御直後(用命二年・五八七)、仏教受容を唱えた蘇我氏の馬子と物部守屋が争い破れて物部氏は滅びた。

 

もののふの道即ち武士道は、物部、大伴の二氏によって明確なる史実として継承せられた。

 

なお、、「もののふ」を「武士」(ぶし)とは、折口信夫氏の説では、野に伏し山に伏して主君のために仕える者であるという。

 

 もののふの道(武士道)とは、古代日本においては、宮廷を守護すること即ち皇室に忠誠を尽くすという精神である。笠金村の次の歌にそれは明らかである。笠金村は伝未詳。

 

「もののふの臣(おみ)の壮士(をとこ)は大君の任(まけ)のまにまに聞くといふものぞ」(三六九・武士として朝廷に仕える男は、大君の仰せの通りに御命令の通りに聞き従うものであるぞ、という意)。

 

もののふの道(武士道)は、中世に起った道義感覚ではなく、遠く古代にその起源があるのである。

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