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2014年4月19日 (土)

天照大神について

柿本人麻呂が、天武天皇の皇子・草壁皇子に捧げた挽歌で、天照大神を、「天照らす 日孁尊」と歌った。「天から照らしてゐる太陽の女神」という意味である。

 

なぜ太陽神がわが國では女性神であるのか。わが國の太古において太陽神を祭る祭り主は女性であり、そしてその女性祭主は神がかりして神の御託宣を民に伝えたので、一般の民からはその女性祭主が神そのもののように尊敬せられたからであるとされている。

 

神の言葉を伝え、神の代理・代弁者として一般の人々の前に立った祭主が女性であったがために、太陽神たる天照大神は女性神であると信じられるようになったのである。「日靈女尊」を短縮させた言葉が「日の御子」である。

 

神にお仕えする祭主(斎の宮)の印象がだんだん強大になって、祭る者のイメージが祭られる者の性格に重なって、太陽神は女性神になったというのである。

 

「ひるめのみこと」とは「太陽神の妻」という意味である。「太陽神の妻」とは、太陽神を祭る巫女のことである。人麻呂が単に「日の神」と表現しないで、「天照らす 日孁尊」と表現したのは、神話時代からのこうした信仰に基づく。

 

「ひる」といふ言葉は、「光り輝く」といふ動詞が短縮された言葉であるといふ。「昼」(ヒル)もそこから生まれた言葉。古代から今日に至るまで、伊勢の神宮で天照大神にお仕えする祭祀主は皇女であらせられることが多い。

 

 『古事記』には、天照大神が忌服屋(いみはたや・清浄な機織り場)で神御衣(かむみそ・神がお召しになる衣服)をお織りになっていたと記されている。機織りは本来、女性の行う仕事である。また、天照大神がお祭りしお仕えする神がおられるという事である。天照大神がお祭りになられる神が太陽神であったという説がある。

 神話を合理的に突き詰めて解釈するべきではないのだが、天照大神がお祭りした神は、太陽神ではなく『古事記』冒頭に出て来られる「むすびの神」=「高御産巣日神・神産巣日神」であるという説もある。これも真実性が高い。というのは「むすびの神」は天地生成の根本の神だからである。

 

 

 

『古事記』冒頭に登場される神・宇宙の根本神である天之御中主神の具体的のお働きを表現した神が、「高御産巣日神・神産巣日神」=むすびの神である。だから天之御中主神と共に「造化の三神」といわれる。

 

 

 

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