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2014年3月14日 (金)

和歌はなぜ定型・韻律に則って歌われるのか

 「やまと歌」は自然に声調・調べが「五七調」あるいは「七五調」に自然に整えられた。これは「五七調」あるいは「七五調」という調べに、日本人の心を訴えることに適する何ものかがあるということである。これは「五七調」「七語調」に日本人の魂をゆさぶる何ものかがあるということである。「五七調」は対照的に素朴で力強い感じを与えることを特徴とし、『萬葉集』に使われている。「七五調」は優しく優雅な感じを与えることを特徴とし、主に『古今和歌集』に使われている。

『萬葉集』の九十五%が、短歌(五・七・五・七・七)である。短歌形式を古代日本人は、自分たちの抒情の文藝形式として獲得した。『記紀』『萬葉』以来今日まで千数百年にわたって、短歌形式が日本人の生活の中に生きてきて断絶がなかったという事實は非常に重要である。

それだけ、「五・七・五・七・七」の短歌形式には魅力があり、日本人の心を表現する形式として非常に適していたといふことになる。そして和歌が「五・七・五・七・七」という「定型」になっていったのであろう。

和歌は、なぜ定型・韻律に則って歌われるのか。それは日本人の生活が常にある一定の規則・リズムに則っているからであろう。日本の四季は規則正しく変化する。したがって農業を基本としてきた我が國民の生活も規則正しいものとなっている。わが國においては四季の変化と農耕生活とが調和しており、毎年一定の「型」が繰り返されている。規則正しい四季の変化と農耕を基本とする規則正しい生活が、定型詩である和歌が生んだということができる。

和歌は、人知の「さかしら」を超えて自然に生まれてくる「素直な心」(まごころ・もののあわれ)の表白であるから、規則正しい生活の中から、自然にある声調を生み、「五・七・五・七・七」の定型を生み出したのである。

「型」を大切にするのは日本人の特性である。歌舞伎などの演劇の世界をはじめとして茶道・歌道・書道などにおいて型の継承が、非常に大切なものとされる。武道もしかりである。「型」を継承することは、単に旧態依然としたものを墨守するというのではなく、新しい創造をともなう。典型をなぞっていくことによって新たなる進歩発展があるところに和歌の面白さがある。

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