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2014年3月 3日 (月)

この頃詠みし歌

すやすやと眠れる母の傍らでわれも暫く寝てしまひたり

 

母の手を握り励ますことのほか為し得ることの無きが悲しき

 

わが母は我を見つめてうれしいよと言ひたまふなり悲しくもうれし

 

眠ります母の額に手を当てて安らかなれとただ祈るなり

 

われの手を握りたまへる母の手は細けれどやしさく暖かきかな

 

明日も来てねとの母の声 背中に聞きつつ病室を出る

 

帰るよと言へばさみしげな顔をして我を見つめる母上の眼(まなこ)

 

今日もまた母の笑顔を見てうれし リンゴを切りて口に運べり

 

東京に大雪降れり 千駄木の古りにし里も銀世界なり

 

雪道を転ぱぬやうに歩み行くわが人生もかくの如きか

 

朧月が雪道の上に浮かびをり あはあはとわが身も浮き上がる如し

 

元初よりの命のひびきわが内に鳴り鳴り続く永久のさはきはへ

 

大いなる御手に抱かれ生かされるわが身と思へば心やすらぐ

 

消え残る雪を踏みしめ道行けば古き軒端に白梅の咲く

 

消え残る雪を踏みしめ歩みなばサクサクといふ音がするなり

 

佳き人のつくりし蕎麦を食しつつ語らひてゐる湯島の夕暮

 

古式蕎麦と名付けられたる蕎麦食しうまき酒酌む夕暮の湯島

 

嫌な奴はやはり嫌な奴としみじみ思ふ我にしありけり

 

久しぶりに逢ひたる人は深々とお辞儀をしたり初対面の如く

 

朝起きて一本の牛乳を飲み干せり一日の元気の源として

 

痩せ細りし母の體を見ることは耐え難きかな口惜しきかな

 

帰り来ていざ原稿を書かむとぞ 思ひし時の一本の煙草

 

堂々男児は死んでも良いと口すさみ岡倉天心の肖像を仰ぐ(『日本美術院再興百年特別展・世紀の日本画』展)

 

小倉亀遊の描きし幼児の愛らしさ 見る人の心を慰めくれる()

 

横山大観描きし富士は神々しく雄大にして美しきかな()

 

苛立ちと怒りの心の湧きて来る何時までたっても大人にならぬ我

 

魂は鎮まらねばならず 激しくも怒ること多き我にしあれば

 

怒りやすき我が悪いと自らに言い聞かせるよりすべなかるべし

 

親子三人で切り盛りする酒房にて味噌汁呑みつつ酒酌みてをり

 

やさしき面の写真を仰ぎ幽り世に逝きませし人を偲ぶひと時(堤清二氏を偲ぶ会)

 

白菊を捧げて永久の安らぎを祈りまつれり晩冬の日に()

 

霞みたる空となりたる今日の朝 決意新たに生きゆかむとす

 

 

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