« 千駄木庵日乗三月二十八日 | トップページ | 千駄木庵日乗三月二十九日 »

2014年3月29日 (土)

鈴木彩香国連政務局アフリカ第一部次長の講演内容

 二月十八日に行われた『笹川平和財団講演会・政変後の中東情勢と国連の役割』

における鈴木彩香国連政務局アフリカ第一部次長の講演内容は次の通り。

 

「アラブの目覚め、民主主義の高まりに期待があったが、経済が悩ましく、不安定が高まっている。国連政務局は、アフリカ東部と南部の国の紛争解決の中核的活動をしている。事務総長へのサポート、国連活動へのサポートをしている。長期ソリューション(問題解決策)を達成するためである。政治ミッション(使節)の派遣、紛争防止のために重要な役割を果たしている。十年前に国連の『人間開発報告書』を執筆開始。知識社会の構築などをテーマにした。人間の安全保障を主たるテーマとしている。

 

アラブ世界の政治変遷は各国によって異なるし、共通する点もある。民主主義社会の発展を目的としている。国々との信頼を構築しようとしている。アラブの目覚めに不安定材料はたくさんある中でやっている。直面していた課題に国連が対応している。憲法制定・司法制度作りなどにサポートしている。リビアでは二百五十名以上のスタッフを持っている。法の支配の強化、メディアの活発化をしている。

 

トリポリに行った。自由に対する歓喜に溢れていた。革命の後は一進一退。移行期には不安がある。アラブの目覚めの中核的要素とは、国家と市民の関係。民主主義の欠如、人権欠如が原因となって、社会契約を結んでいない。少数派も国家の存在が自分たちに脅威を与えないというシステムが必要。多元主義が必要。民主主義の実現するための政治的空間が必要。独裁政治打倒の後、派閥闘争が起った。マイノリティ(社会的少数者)が主流から外され出している。

 

特定宗派間の分断が起っている。国家間の対立も発生。敵国が反体制派のバックになることがある。代理戦争になりつつある。地域全体を網羅するような安保の枠組みがない。

 

イスラム政党は組織化し大衆に根付いている。イスラムの価値観を憲法に盛り込もうとする動きもある。国家、社会、アイデンティティをあらためて考える動きがある。昔の政権による安定を望む人々が出て来ている。

 

女性も組織化された政治暴力の犠牲になった。女性の権利のアジェンダ(実施すべき計画)がますます高まっている。若者は新聞を信じない。ツイッターで情報を仕入れる。二十一世紀の新しい技術を使って紛争を防止する。

 

北アフリカと中東は近い将来さらに悪化し深刻化する恐れがある。経済が不安定要素。リビアにおける選挙も期待通りではなかった。アラブの若者には時間が必要。憲法制定のプロセスを急ぐと、長期的民主主義のプロセスが不安定化する。国内のアクター(関係者、行為者)が解決を見つけねばならない。新しい政治は国内の人が作らねばならない。若い人に経済的機会を与えなければ不安定になる。国連はシリアの暴力と二極化を懸念している。権利を剥奪された国民には大きなコストが伴う。

 

アラブには希望もある。その国の将来はその国の人々が決めるべきである。その中で国連はエジプトに色々とコメントして来た。『アラブの春』という言葉は使わない。『アラブの目覚め』という言葉を使う。人が死ぬことは残念。混乱した状況に対応すべし。

 

国連は、一つのレベルでは加盟国の集まり。事務局はその為のサービスをしている。加盟国の意見が一致しないと、国連は介入できない。女性差別の廃止はほとんどの加盟国が賛成している。所得格差をなくさねばならない。加盟国の意見が一致しない時は、非常に難しい。

 

和解促進は拙速であってはならない。選挙が不安定材料になることがある。イエメンでは、国内対話会議が開かれ、十カ月かけてどういう国にすべきかの共通のビジョンができた。包摂的国内対話が必要」と語った。

|

« 千駄木庵日乗三月二十八日 | トップページ | 千駄木庵日乗三月二十九日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/59371957

この記事へのトラックバック一覧です: 鈴木彩香国連政務局アフリカ第一部次長の講演内容:

« 千駄木庵日乗三月二十八日 | トップページ | 千駄木庵日乗三月二十九日 »