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2014年2月25日 (火)

安倍総理の『建国記念の日メッセージ』には肝心要の事が書かれていない

 自由民主党は、平成二十四年十一月二十二日に発表した「政権公約」で「政府主催で二月十一日の『建国記念の日』、二月二十二日を『竹島の日』、四月二十八日を『主権回復の日』として祝う式典を開催する」と公約した。

 

 

 

「主権回復の日」は公約通り、昨年、政府主催式典を挙行した。しかし、残念なことに「建国記念の日」「竹島の日」はまだ実現していない。

 

 

 

今年二月七日、自民党内に「歴史・伝統・文化に関する連絡協議会」を設置し、政府主催で式典を行う意義を広める活動を行う方針を決めた。式典開催の機運を醸成し、政府を後押しする狙いがあるという。

 

 

 

さらに、安倍総理は、「『建国記念の日』を迎えるに当たっての安倍内閣総理大臣メッセージ」を発表した。それには次のようなことが書かれている。

 

 

 

「古来、『瑞穂の国』と呼ばれてきたように、私たち日本人には、田畑を共に耕し、水を分かち合い、乏しきは補い合って、五穀豊穣(ほうじょう)を祈り、美しい田園と麗しい社会を築いてきた豊かな伝統があります。…また、わが国は四季のある美しい自然に恵まれ、それらを生かした諸外国に誇れる素晴らしい文化を育ててきました。…先人の努力に深く敬意を表すとともに、この平和と繁栄をさらに発展させ、次の世代も安心して暮らせるよう引き継いでいくことはわれわれに課せられた責務であります。…『建国記念の日』を迎えるに当たり、私は、改めて、私たちの愛する国、日本を、より美しい、誇りある国にしていく責任を痛感し、決意を新たにしています。国民の皆さまにおかれても、『建国記念の日』が、わが国のこれまでの歩みを振り返りつつ先人の努力に感謝し、自信と誇りを持てる未来に向けて日本の繁栄を希求する機会となることを切に希望いたします。 内閣総理大臣 安倍晋三」。

 

 

 

政府によると、総理大臣首が「建国記念の日」にメッセージを発表するのは、歴代政権で初めての事であるという。このことは、一歩前進として評価しなければならない。

 

 

 

しかし、今回のメッセージには、肝心要の事が書かれていない。それは、「神武建国の精神」である。そもそも二月十一日が「建国記念の日」として制定されたのは『日本書紀』に「辛酉年の春正月(むつき)の庚辰(かのえたつ)の朔(ついたち)、天皇橿原宮に即帝位(あまつひつぎしろしめ)す」と記されている「神武天皇ご即位の日」に由来するのである。

 

 

 

これは、むつき(正月)の始めにおいて、神も天地も人も新生するという上古以来の日本人の信仰の上に立っているのである。

 

 

 

神武天皇の御名前は、神日本磐余彦火火出見尊(カムヤマトイハレヒコホホデミノミコト)と申し上げる。磐余とは現在の奈良県桜井市の天の香具山の北東麓地域の古地名である。「火」は「ホ」と読み、「日」及び「稲穂」の意である。この御名前は、「神の國大和の磐余の君主である日の神の御子で稲穂が沢山出て来る命」というほどの意である。
 

 

つまり、神武天皇は、邇邇藝命と同じように太陽神たる天照大神の神霊と稲穂の霊の體現者なのである。そして神武天皇は、邇邇藝命が天照大神から受けた「日本國の統治」と「稲穂をたくさん地上に実らせる」という御命令を実現するために、九州より大和に来られて橿原の地に都をお開きになり、天皇に即位されたのである。これが神武天皇建国の由来である。

 

天皇の國家統治の根本そして國家民族の理想を稲の稔りを以て象徴するのは、稲が我々日本人の生命を養う最も大切な主食であるからである。そして、天皇の祭りは稲作りをはじめとしてその他諸々の生産に及ぶのである。豊かな生産に支えられた日本國家の繁栄を希求するである。

 

日本天皇は、日本國家を武力や権力で支配する覇者・権力者ではなく、稲作生活を基本とする日本人の「くらし」を永遠に保証する祭り主であり信仰的御存在としての君主であらせられる。

 

安倍総理が、二月十一日を「建国記念の日」として祝うのなら、そして「瑞穂の國」「五穀豊穣」「美しい自然」「誇りある日本」を言うのなら、何よりも「神武建国の精神」についてメッセージにおいて語られるべきであった。

 

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