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2014年1月12日 (日)

『米国の対外姿勢の変化と日米関係の影響』と題するパネルディスカッションにおける登壇者の発言

昨年十一月十八日に行われた『米国の対外姿勢の変化と日米関係の影響』と題するパネルディスカッションにおける登壇者の発言は次の通り。

 

中山俊英氏(青山学院大学国際政治経済学部国際政治学科教授)「アメリカの外交について日本には疑念が生まれている。シリア・中国への対応で内向き志向が共和党の中にも見え隠れしている。信用して良いのかどうかが浮かび上がっている。アジア太平洋地域の重要性は変わらない」。

 

William Kristol氏(The Weekly Standard【政治専門誌】創設者兼編集者)「アメリカは新しい時代、混乱した時代に突入している。一九八〇年代から二〇〇〇年代までのアメリカは安定していた。政策にコンセンサスがあった。議論の範囲は狭かった。抜本的議論ではなかった。二〇〇六年、共和党が議会を制していることに国民は飽きた。上下両院で民主党が制した。二〇〇八年、二回目の大勝利。オバマが当選。政府のリベラル化が進むと思われたが、二〇一〇年に反動が来た。上下両院で共和党が勝利。州議会でも共和党が勝利。新しい不確実の時代に入った。アメリカは左へ行くべきか、右に行くべきかの話になった。政策論議も変わった。二〇一二年僅差でオバマが当選。下院は共和党が勝利。行きづまり状態が続いている。突破口を切り開くことがいつ実現するかつかめない。予測不可能な状況。国防予算が削減。戦争に疲れた状況。孤立主義を説く人が共和党の中にいる。不確実で危険な時代。アメリカへの信頼が失われている。アメリカ自体は強い国であり続けている。日本のような同盟国はもう少し責任を引き受けてもらいたい。アメリカの保守主義とは伝統的価値観・強い国防・小さな政府の三つ。アメリカの伝統・宗教を守って行かねばならない。アメリカは自己改革能力を持っている。アメリカが消えてなくなることはない。喧嘩は活力の源。世界秩序の保障国であれば強くなければならない。私は日本が自己主張の強い外交姿勢をとることを問題視していない。日本の国民は過剰な攻撃的手段とることはあり得ない。アメリカも日本もやるべきことをやる。安倍はナショナリスト、コールもミッテランもサッチャーもナショナリスト。これらの國は力強い同盟国であった。安倍氏のナショナリズムは日本を要塞化するナショナリズムではない。安倍氏はアセアン諸国を訪問、首脳会議を主催する。自国の自信を持つのは大事。民主主義の価値観と矛盾しない」。

 

Gary Schmitt 氏(アメリカン・エンタープライズ研究所専任研究員兼マリリン・ウェア安全保障研究センター共同ディレクター兼アメリカ市民権プログラムディレクター)「アメリカの内政が外交に影響を及ぼしている。アメリカの東アジア政策はこの十年中国の焦点を当て過ぎた。アメリカの対中国政策は過大に評価されてきた。米中の共通の敵はソ連だった。米中関係は悪化し、中国は近隣諸国に対して攻撃的になった。ネオコンの動きはムーブメントである。アメリカの世界観の一つ。学術的、伝統的見方の一つ。世界の状況の中でネオコンの考えが国民を惹きつける時代がある。習近平が権力基盤を固めたかが問題。改革の継続と一党支配の継続の両立が難しい。どちらかを取らねばならない段階に来ている」。

 

Christopher J. Griffin氏(FPI常務理事)「安倍首相は強い野心を政権に課している。国家安全保障会議創設は強力な政府が日本に存在することがいかに重要かという事。弱体な政府が日本には続いた。日米協力は重要。アメリカの国防予算は一兆ドルの削減を続けて来た。日韓関係が悪いのは残念。当事国にとってもマイナス。北朝鮮をテロ支援国家リストから解除したことと六者協議は大失敗。取るべきものを取ってやるべきことをやらないという北朝鮮のやり方を繰り返させてはならない。北朝鮮に対して『軍事同盟を強化し対応するぞ』と言った方が良かった。北朝鮮に対して日米韓の協力が大切」。

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