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2013年12月12日 (木)

この頃詠みし歌

客引きの姿ばかりが目立ちゐる上野広小路を通り過ぎたり

 

荒々しき心鎮めて過ごさむと明るき部屋で経を誦しゐる

 

咳き込みで苦しめる母の小さき背(せな)さすりつつ神の癒しを祈る

 

母上の咳き込み苦しみ姿をば見る辛さをばこらへるほかなし

 

苦しめる九十四歳のわが母の入院拒否する医師の憎しも

 

理不尽な医師の言葉に激怒して思はず大きな声を出したり

 

懐かしき友の笑顔の浮かび来てこれの世にゐまさぬことをさびしむ

 

そのかみの青年学徒も白髪の老人となりてわが前に座す

 

朗々と祝詞の声の聞こえ来るみ霊鎮めのみまつりの庭

 

ねむくなりし深夜に一人ものを書くうつらうつらと夢の如くに

 

母と子と語らひてゐる病室の窓より見ゆる赤き月影

 

苦しめる九十四歳のわが母の入院拒否する医師の憎しも

 

絶対に許せざる心燃えたぎる医師の無責任なその言の葉に

 

ベランダの上の満月まさやかに浮かぶ姿を飽かず見てをり

 

清らけきみささぎの空青くして大いなる日本を寿ぐ如し

 

 

聖陵を拝ろがみまつる秋の日に日の本の國を護らせと祈る

 

暗殺と粛清の歴史今に続く南北朝鮮は悲しき国か

 

救急車に横たはる母の手を握り励ますほかにすべなかりけり

 

何としても一日も長く生きませと祈る心の切なかりけり

 

拘束されベッドによこたはる母の手を握り励ます夜の病室

 

病室に入り来れる我を見て母は涙を流したまへり

 

点滴を受けつつうめくわが母の額を撫ぜるほかにすべなし

 

病室で母の手をとり慰めの言葉をかければ頷きたまふ

 

孫よりもまだ若き看護師が母の面倒を見てくれてゐる

 

平成生まれの看護師さんがわが母と語らひてゐる夕べの病室

 

これの世に我を生みまししわが母はあつき病ひに苦しみたまふ

 

サイレンの音が聞こえる夜の更けに病院にゐる母を思へり

 

愛しくてならぬ母ゆゑ逢へぬ日の長くなりぬれば悲しかりけり

 

近隣国家南北朝鮮そして支那とてもまともな国にはあらず

 

九十四のわが母が次第に弱り行く姿を視るはつらく悲しき

 

馴染みの店に来りて何時ものもつ焼きを食してうれしきこの夕べかも

 

時計台に立て籠もりたる若きらの姿今なく公孫樹耀ふ(安田講堂)    

 

 

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