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2013年10月 7日 (月)

今は亡き佐藤欣子さんの著書『お疲れさま日本国憲法』を読んで思う

今は亡き佐藤欣子さんの著書『お疲れさま日本国憲法』は大変勉強になる。

 

『現行占領憲法』第九条に「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という条文について佐藤さんは、「もし日本国民が『正義と秩序を基調とする国際平和』を誠実に希求しているならば、正義と秩序を乱す者に対しては、敢然と立ち向かわねばならないはずである。そう考えるなら、武力の放棄など軽々しく宣言することなど出来ないはずであろう。…『正義と秩序を基調とする国際平和』は、まだ実現の途上にある。日本人は『義を見てせざるは勇なきなり』という言葉を忘れてしまったのではなかろうか」と論じている。正論である。

 

また『現行占領憲法』の「前文」には「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」と書かれている。これは虚構、絵空事、幻想、事実誤認である。わが国の近隣国家と言われる共産支那・北朝鮮においては「専制と隷従、圧迫と偏狭」が国家の本質になっている。また国際社会全体が「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を永遠に除去しようと努めている」とはとても言えない。虚構の上にわが国が立って名誉ある地位を占めることは不可能である。

 

昭和五十二年の「ダッカ日航機ハイジャック事件」で、日本政府は、人命尊重を最優先とする方針のもと「超法規的措置」として犯人側の要求にすべて応じた。これについて佐藤さんは、「国家として為すべからざることをしたと私は考える。もちろん個人にとって生命は絶対的なものである。しかし私たちは時に、その自分の生命が自分の愛する者の生命、自分をはるかに超える社会や国家の構成員の生命や利益と比較される事に堪えなければならないのである。そして国家とその指導者は、まさにこの時、その苦しい役割を断固として遂行すべきだったのである。…『超法規的措置』というよりは『無法』の処置だった…」と論じている。その通りと思う。

 

この日本政府の措置を見ても、『憲法』前文に言う「正当に選挙された国会における代表者」が構成する政府が「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」することが不可能とは言わないまでも、実に困難なことであることを証明する。

 

『現行占領憲法』下のわが国は、正義・道義・神聖性というものを喪失している。その事を象徴する事実を佐藤さんは次のように論じている。

「日本の法廷には、裁判権を行使しているはずの国家を象徴するシンボルは何もない。諸外国でみられるような、国旗もない。元首の写真もない。十字架もない。そこで行われている裁判の権威と権力の由来を思い出させるものはないのである。戦前は菊の御紋章があり、『司法権ハ天皇ノ名ニ於テ』行われることを示していた。敗戦後、御紋章は取り払われたままである。法廷はガランドウである。国家は不在である」。

 

『現行占領憲法』においても「天皇は日本国の象徴」「日本国民統合の象徴」であらせられるのであるから、法廷に菊の御紋章が掲げられて当然である。それによって裁判の公正性、神聖性、道義性が保持される。

 

佐藤さんはさらに言う。「この憲法の下で日本は世界最大の債権国、世界一の長寿国となった。私たちは私利私欲を優先させ、俗の俗たる顔を恥じることなくテレビにさらし、弱者が大声で被害者意識をブチまけることができるようになった。私たちは貧乏を忘れ、死ぬことを忘れ、国家も公も忘れ、聖なるものを忘れ、勇気も責任感も失った。日本人は自己を超える忠誠の対象を失い、したがって、日本は浅薄な幼稚な国となったのである」と。

 

この本は二十二年前の平成三年刊行であるから、その後日本が経済的に疲弊し、自殺者が増える事態となったことは触れられていないが、それ以外の事は全く正しい。

 

法と正義の関係が正しく確立しなければならない。正義とは「我こそは正義なり」と主張するものではなく、追求し、目指すべきものである。『現行占領憲法』の浅薄にして危険な「正義観」は排除されるべきである。

 

日本国の真の「倫理観」「正義の精神」「聖なるもの」は日本伝統信仰の祭祀主であらせられる日本天皇によって継承されている。日本天皇が日本国の統治者であらせられるという事を正しく定めた『大日本帝国憲法』に回帰すべきである。

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