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2013年8月11日 (日)

天皇・皇室を輔弼する体制の強化が必要である

わが国政府や外国政府の政治的思惑・政治利用による、天皇・皇族の外国ご訪問を阻止するためにも、天皇・皇室を輔弼する体制の強化が必要である。

 

「皇室外交」といふ言葉も「開かれた皇室」と同様に、危険な言葉である。川島裕侍従長は次のやうに述べてゐる。「私は、『皇室外交』といふ言葉は、あまり好きではないのです。『外交』といふものは、国家間の問題を解決し、危機を回避するために、戦略的発想に立ちつつ、いはば手練手管のやりとりでもいふべき政治的な行動の連続です。」(「神社新報」平成十年一月一日号所載『川島裕侍従長に聞く』)。

 

長く外交官を務めた川島氏がかかる発言をされたことに感銘した。「手練手管のやりとりでもいふべき政治的な行動の連続」である外交に、神聖君主日本天皇を利用し奉ることは、天皇の尊厳性への重大な冒瀆であり、絶対にあってはならない。その禁を侵し続けてゐるのが政府権力なのである。

 

田中内閣当時、米国のニクソン大統領が、昭和天皇の米国ご訪問を要請してきた。当時の宇佐美毅宮内庁長官は日米間で経済摩擦がありベトナム戦争が終結していない状況を」踏まへて、「今はご訪問されるべきではない」と反対したといふ。(『文藝春秋』平成五年十二月号所載・岸田英夫氏「誰が皇室を孤立させたか」)

 

さらに、高橋紘一氏は次のやうに論じた。「(注・天皇は宇佐美(毅宮内庁長官を)『律儀者』と評したという。しかし彼の頑迷さは皇室を『政治外』に置くことに効があった。宇佐美が退いて一〇年、最近、皇室が政治に巻き込まれる例が目立つ。皇太子訪米が外務大臣と米大統領の会見で出たり、皇太子訪韓を故意にマスコミにリークし、〝自然承認〟させたりする。『在位六〇年式典』の日取りを、中曽根首相の政治日程に合わせるなど、論外である。…政治家の皇室利用に対して宮内庁幹部は厳然たる態度をとらねばならない」と論じた。(「人間天皇演出者の系譜」・「法学セミナー増刊・天皇制の現在」昭和六一年五月発行)

 

この当時の内閣官房長官は、後藤田正晴氏である。富田氏は、宮内庁長官時代、カミソリとはいれた元の上司・後藤田正晴官房長官に対等にものが言へるといふ立場ではなかったであらう。部下同然に対応されたのではないか。

 

現行体制下の宮内庁長官は、政治権力者と対等にものを言へる立場ではない。それが皇室の政治利用が行はれる原因である。天皇陛下の側近が尊皇精神の希薄な後藤田のような政治家に顎で使はれたり、同じく尊皇精神の希薄な小沢一郎のような国会議員に恫喝されるやうでは、天皇・皇室を政治権力からお護りする事は出来ない。メディアなどの皇室冒瀆に対処するためだけではなく、天皇・皇室の神聖権威をお護りし、政治権力によるいはゆる「皇室の政治利用」「皇室への圧迫と干渉」を防ぐために、天皇の輔弼体制の強化がなりより大切である。

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