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2013年7月 4日 (木)

アーロン・フリードバーグ氏の講演内容

六月二十六日の笹川平和財団主催『アーロン・フリードバーグ教授講演会』における登壇者の発言。

 

プリンストン大学ウッドロー・ウィルソンスクール教授アーロン・フリードバーグ氏「鄧小平の戦略は、自分の能力を隠し、アメリカとの衝突を避けるというもの。包括的国力を動員し、アメリカの立場を目立たないように弱めていく。中共の独裁を強めていく。これが戦略目標。東アジアにおける有利な立場を維持する。アメリカにとって代わる。各国の連帯を打破する。

 

沖縄の領土権を主張し始めている。中国の振る舞いは高圧的になってきている。アメリカと日本の対中政策はどうあるべきか。過剰な反応は不必要。中国の指導者層が弱体化。内部的不安が深まる。軍国主義で国民の不満をそらそうとする。色々な役割を色々なグループが果たすようになる。私たちは最悪の事態に備えるべし。中国は合理的アクター(註・政治学・国際政治学で言うところの行為主体)にはなり得ない。

 

アメリカの力が急速に衰退している。中国の国力は急速に増している。中国はアメリカとその同盟国との間にくさびを打つ。日米同盟を破壊しようとしている。日米は強い共同戦線を張らねばならない。日本は集団的自衛権に関与でき、国防費を増やせばいい。誤った楽観論は慎むべし。

 

衝突は意図しなくてもあり得る。中国のミサイルの精緻さは高まっている。在日米軍基地に脅威。サイバーも能力をつけている。アメリカの対中政策は、共和党政権でも民主党政権でも劇的変化はない。

 

資源は、中国の高圧的行動の要因になる。日米が経済成長することが大切。米国経済は弱体化したが回復しつつある。日本も然り。中国は金融危機が発生するところにある。資産バブルも発生している。

 

この地域の米国の軍事プレゼンスは重要。普天間基地も必要。中国は多くの原子炉を建設する。安全基準が心配。中国は国益に合致する時は国際法を守り、国益に合致しないときは守らない。

 

歴史問題で日本は罪悪感から脱却して普通の国になろうとしている。韓国との緊張が高まる。国際信用にも関わる。対米関係にも良くない。日本は孤立してしまうから、得をするのは中国のみ。」

 

山口信治防衛研究所教官「中国の行動を見る時、国内的要因と国際的要因のどちらを重視するのか。国内要因が中国の行動を決定するということは完全否定できない。国内的不満を外にそらしている。中国共産党の政策決定がおかしくなっている。社会的不安が対外的行動につながるというのは、中国共産党体制は非常弱いということになる。中国共産党体制はそれほど弱いのか。弱くないと思う。東シナ海、南シナ海でトラブルを引き起こしている。アメリカの介入を防ぎつつ自分の利益を増している」。

 

          ○

アーロン・フリードバーグ氏の歴史問題に関する発言は、重要である。日米が強力な同盟関係を維持して共産支那に対抗すべしと考えているアメリカの学者が、いわゆる「慰安婦問題」で日本が韓国に罪悪感を持つべきだ、そうしない日本は孤立すると主張しているのである。これは困ったことである。日本軍が韓国人女性を強制連行して「従軍慰安婦」にしたなどという虚構を一日も早く払拭しなければならない。

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