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2013年6月 4日 (火)

天皇へのご奉公が日本道義精神の基本である

天皇及び國家のために<滅私奉公>の誠を尽くすという道義精神が一切の徳目を包摂する。日本民族の倫理観は、「清明心(きよらけくあきらけき心)」を道義の根本とした。そしてその「清明心」の体現者として天皇を仰いだ。天皇を限り無く仰慕し、祖國を限り無く愛し、天皇及び國家のために私心無く奉仕する誠の心、即ち<滅私奉公>の誠を尽くすという道義精神が、親孝行・兄弟愛・夫婦愛・友愛・人類愛などの一切の徳目を包摂する。

 わが國では有史以来、共同体全体そしてその中心者たる天皇への奉仕の心すなわち<滅私奉公>が最も大切な道義心とされた。神聖なる信仰共同体の体現者・中心者・統率者が天皇であらせられるから天皇への無私なる帰属意識が究極の道義なのである。それは権力への屈従ではなくして、柔らかな優しいおのづからなる仰慕の心・むすびの心である。

 

権力國家を統制するのは成文法と権力であるが、信仰共同体國家は信仰と道義が基本である。そしてその中心者が天皇であらせられる。わが國の道義精神の中核は天皇にまつろひ奉るか否かにある。

西欧において理性的存在者たる自我を拡張し、或いは自我を実現することを根本と考えるのとは対照的に、わが國では『私』を去り『我』を無にすることを大切にしている。天皇は、日本民族の長い歴史の中で、清明心の根源、無我の体現者、日本人の『道』の中心者として君臨されてきた。これは、日本人だけでなく、全人類のかけがえのない宝である。

「個の確立」という美辞麗句があるがそれは有り体に言えば、「自分さえ良ければいい」という考え方である。これは、<滅公奉私>の心といってよい。戦後日本では、こういう考え方が正しいとされて来た。

 戦後日本で言われ続けて来た「個の確立」「主体性の確立」は<戦後民主主義>の精神的支柱であるが、「個」や「自我」というものを如何にとらえるかが大事である。正しき人間観・國家観の確立なくして、正しき「個の確立」も「主体性の確立」もあり得ない。道義精神なき「個の確立」は欲望民主主義に陥り、正しき國家観なき「個の確立」は利己主義となる。それが今日の日本の姿である。

戦後日本は「愛國心」とか「國家への忠誠」ということを「悪」として否定して来た。「みんなのため」とか「國のため」という意識が希薄になっている。ここに今日の混迷の根本原因がある。

混迷の淵にある祖國日本を起死回生せしめるには、戦後戦勝國によって押しつけられた「民主主義」を否定し、わが國の伝統的な國家観と道義精神をすなわち<滅私奉公>の心を回復せしめなければならない。それが文字通り専制と隷従、圧迫と偏狭を永遠に除去し、わが國國民が真の平和と自由を獲得する道である。

和辻哲郎氏は、「日本は人倫国家であり、その中心は天皇の神聖なる権威である。人々は天皇の神聖なる権威を通じて正義を自覚した。ここからしてこの権威による政治が正義の実現としての人倫国家の創成にまで展開して行く所以も理解せられる」と論じておられる。(『日本倫理思想史』)

私心を滅して全体に奉仕することが日本道徳の基本である。そしてその全体の統一性を体現される方が天皇である。だから天皇へのご奉公が日本道義精神の基本なのである。

鏡のように清らかな心を尊ぶわが国伝統信仰は、「鏡」を御神体として拝んだ。『神皇正統記』に「天照大神もたゞ正直をのみ御心とし給ふ」「鏡は一物をもたくはへず、私の心なくして万象を照らす。……これ正直の本源なり」と書かれている。「私の心なき清明心」こそが「神ながらの道」である。その「清明心・神ながらの道」を体現される御存在が祭り主日本天皇であらせられる。

新渡戸稲造氏は「我々にとりて天皇は、法律国家の警察の長ではなく、文化国家の保護者(パトロン)でもなく、地上において肉身を持ちたもう天の代表者であり、天の力と仁愛とを御一身に兼備したもうのである」(『武士道』)と論じている。

共同体は、それを構成する人々の相互信頼と協力によって成り立つ。しかし現実には人々の私利私欲の追求によって相互信頼と協力は屡々破壊される。それを抑制するためには、共同体を構成する人々の利害を超越した神聖性・道義性を持つ「無私なる倫理性の体現者」が必要となる。それがわが国においては共同体の祭祀主たる天皇であらせられるのである。 

戦後及び現代日本において、戦勝国の日本弱体化政策、さらに共産革命勢力・偏向マスコミ・学者文化人によって、天皇及び御皇室の神聖性・尊厳性が破壊され続けてきた。それが今日のわが国の道義頽廃の根本原因である。

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