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2013年6月 7日 (金)

天皇・皇室と日本文化

『日本経済新聞』本年三月二十三日号に、『日本人の精神基盤 上田正昭さんに聞く』というインタビュー記事が掲載された。上田氏はそのインタビューで、室町時代に我が国の商工業者の間に広まった日本独自の信仰である「七福神信仰」を取り上げて次のやうに語った。「七福神を構成する神様のうち、えびすは日本由来ですが、毘沙門天、弁財天はインド起源の神様。大黒天はインド由来の神と日本の大国さま習合したもので、福禄寿と寿老人は道教の神、布袋は中国の和尚です。この神様たちを一緒に宝船に乗せて、福の神としてあがめてしまう。実におおらかな精神です」。

外来文化、外来信仰を大らかに柔軟に受け入れ、日本化するといふ姿勢は日本精神文化の特質である。「七福神信仰」がその象徴であるといふ指摘は初めて知った。私宅近くにも谷中七福神があり、新年には多くの人々が巡拝してゐる。

日本人は、外来文化、即ち儒教も仏教も、さらには、仏像も建築物も絵画も書も、ありとあらゆる文化をとり入れつつ、それを高め、自己のものとし、さらに世界何処の国にもない高度にして洗練された文化を形成した。

どうしてさういふことが出来たのか。それは日本人にきはめて強靭な主体性があったからである。日本人の主体性とは、排外主義ではない。偏狭な国家主義でもない。外来文化を包み込み、要らないものは排除し、必要なものは受け入れる姿勢である。

さうした日本文化の主体性の核が「天皇・皇室」であった。天皇を日本文化の中心と仰いで帰一し、天皇を日本伝統信仰祭祀主として仰ぐ精神は、日本文化・日本伝統信仰の主体性の核であると共に、外来文化・外来信仰受容の核でもあったのである。

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