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2013年6月23日 (日)

還暦について

今日行はれた菅家一比古氏還暦祝ひで、祝辞に立たれた加瀬英明氏は、「還暦」といふ言葉を英語に訳すと「リサイクル」になるのではないかと言われた。なるほどと思った。呉善花さんは「ルネッサンス」であると言はれた。村松英子さんは、「どちらも、元をただせば同じ意味である」と言はれた。

辞書によると「還暦(かんれき)とは、干支(十干十二支)が一巡し、起算点となった年の干支に戻ること。通常は人間の年齢について言い、数え年61歳(生まれ年に60を加えた年)を指す。本卦還り(ほんけがえり)ともいう」といふ事ださうである。

つまり、元帰りであり、循環であり、よみがへりである。元に戻ることによって新たに生まれ変はるといふことであらう。即ち、人生の再出発である。復古即革新即ち維新と言っても良いと思ふ。

日本人は、「甦り」(よみがへり)と言ふことを深く信じて来た。よみがへりとは。黄泉(よみ)の國即ちあの世から帰って来ると言ふことである。日本人にとって死は消滅ではないである。

還暦祝ひで、本人に赤い頭巾やちゃんちゃんこなどを贈るのは、かつては魔除けの意味で産着に赤色が使はれていたため、生まれた時に帰るといふ意味でこの慣習があるといふ。

つまり、六十年間生きて来たことによって、そのまま老いるのではなく、あらたな生まれ、再出発するのが「還暦」なのである。暦が戻ると言ふのだから、まさに新生である。

しかし、還暦といふとお年寄りの仲間に入ったといふ感覚を持つ。小さい頃よく歌った童謡「船頭さん」は、「村の渡しの船頭さんは 今年六十のお爺さん 年を取つてもお船を漕ぐときは 元気いつぱい櫓がしなる それ ぎつちら ぎつちら ぎつちらこ」といふ歌詞である。

私はこの歌を歌ふと思はず吹き出してしまふ。私はすでに六十五歳であるが、「お爺さんだ」といふ感覚は微塵もないからである。バスや電車の中で、お年寄りに席を譲ることはあっても譲られたことはない。あと十年経ったらどうなるか分からないが、今のところ「老いた」とか「年寄りになった」などと思ふことはない。有難いことだと思ってゐる。

常に「蘇り・復活・新生・再生」を念じて生きて行きたく思ってゐます。合掌

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