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2013年5月20日 (月)

高市早苗自民党政調会長の発言について

高市早苗自民党政調会長は、五月十二日のNHKの番組で、「国家観、歴史観については首相は(歴代内閣と)違った点もあるかと思う」と表明し、「過去の植民地支配と侵略」なるものを謝罪した『村山談話』について、「(談話の中には)『国策を誤り』とあるが、当時、資源封鎖された中で全く抵抗せずに植民地となる道を選ぶのがベストだったのか。当時の国際状況の中で何が正しかったのかを自信を持って主張できる政治家など今の日本にはいない。これはちょっとおかしい」と疑問を呈した。そのうえで、高市氏は「戦後七〇年で安倍内閣が続いていれば、『安倍談話』が出るだろう。戦争で損害を受けた国や苦痛を受けた国に対する申し訳ないという思いはきっちりと表現されるが、村山談話とは、またちょっと表現が違うものになると思う」と述べ、戦後七〇年の再来年に新たな総理大臣談話が出される場合、『村山談話』の侵略などの文言の変更を検討すべきだという考えを示した。そして、番組終了後、高市氏は福井市内で記者団に「当時は日本の生存が危うく、自存自衛が国家意思だと思い、多くの人が戦争に行った。私自身は『侵略』という文言を入れている村山談話にしっくりきていない」とも語った。

こうした発言は、安倍晋三総理が四月二十二日の参議院予算委員会で『村山談話』について「安倍内閣としてそのまま継承しているというわけではない」と答弁したこと、そして、翌二十三日には「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と述べたことを踏まえ、安倍総理と共通の認識を表明したものである。自民党政調会長として当然の発言である。高市氏には何の落ち度もない。

 ところが、菅義偉(すがよしひで)内閣官房長官は五月十三日の記者会見で「高市議員個人の見解だ。政府の見解は(五月十日に)明確に私が述べた通り」と釈明し、出張中の高市氏に電話で「政府の見解は首相の見解だ」と告げたという。

いくら議院内閣制であっても、内閣官房長官には政権与党の政策責任者たる政務調査会長に対する指揮命令権はない。むしろ政党政治なのであるから、内閣官房長官は政策面では与党の政策責任者の意向に遵うのが本来の姿である。

 また、石破茂自民党幹事長は五月十三日の記者会見で、「歴史認識は積み重ねがあるテーマであり、あまり思いつきで物を言うべきではない。国益全体を損なう情報発信の仕方は極めてよくない」と高市氏を批判した。さらに石破幹事長は「党役員という立場にあるものが、自分はこう思うということを言うと、統制がとれない」と述べた。

 これもおかしい、高市氏ほどの人が歴史問題という重要事項で、「思い付き発言」をするはずはない。前述した通り、安倍晋三総理・総裁の意向を体し、高市氏が日頃から抱いていた歴史観を表明したのである。高市氏は数年前、テレビ朝日で田原総一朗氏と討論した時も同様の発言をした。今回の発言は「思い付き」では絶対にない。石破氏の発言こそ、高市氏を侮辱した軽率極まりない発言である。

こうしたことに対し、高市早苗氏は五月十三日、羽田空港で記者団に、「党に迷惑がかかったのならお詫びする」としながらも、「正直な自分の考え方を申し上げた。個人の考えは変わらない。私の考え方は変わらない」と言い切った。正しい姿勢である。またテレビニュースでは高市氏が「黙っていれば良かったんでしょうね、意見はありませんということで。もし党にご迷惑がかかったんであれば、おわびを申し上げます」と語っているのが報道された。悔しさがにじみ出ていた。

歴史の真実は同盟国に対しても正々堂々と主張すべきである。高市早苗さんの発言を断固支持する。

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