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2013年5月23日 (木)

『夏目漱石の美術世界展』参観

今日参観した『夏目漱石の美術世界展』は、「漱石が日本美術やイギリス美術に造詣が深く、作品のなかにもしばしば言及されていることは多くの研究者が指摘するところですが、実際に関連する美術作品を展示して漱石がもっていたイメージを視覚的に読み解いていく機会はほとんどありませんでした。…古今東西の画家たちの作品を、漱石の眼を通して見直してみることになるでしょう。また、漱石の美術世界は自身が好んで描いた南画山水にも表れています。漢詩の優れた素養を背景に描かれた文字通りの文人画に、彼の理想の境地を探ります。本展ではさらに、漱石の美術世界をその周辺へと広げ、…漱石作品の装幀や挿絵なども紹介します。当時流行したアール·ヌーヴォーが取り入れられたブックデザインは、デザイン史のうえでも見過ごせません。漱石ファン待望の夢の展覧会が、今、現実のものとなります」(案内文)との趣旨で開催された。

漱石の作品に登場する美術作品や漱石が関心を持った作品が数多く展示されていた。こういう美術展を参観するのは初めてである。漱石が私は夏目漱石の作品はあまり讀んでいない。讀んだのは「坊っちゃん」と「こころ」である。故に、漱石が美術に造詣が深い人物であることは全く知らなかった。

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの風景画、ジョン・エヴァレット・ミレイロンドンの「塔幽閉の王子」、ブリトン・リヴィエアーガダラの「豚の奇跡」、渡辺崋山の「黄粱一炊図」、伊年の「四季花卉図屛風」、伊藤若冲の「鶴図」、黒田清輝の「婦人像」、横山大観の「瀟湘八景」、朝倉文夫の「若き日の影」、浅井忠の「収穫」そして漱石自身の描いた書画を参観した。

漱石は明治十四年から十六年の二年間、十四歳から十六歳まで、小生の母校である二松学舎(当時は漢学塾)で漢学を学んだ。その後、帝国大学で英文学を学んだ。森鷗外と並んで近代日本の文学者の双璧である。しかもこの二人は、わが町千駄木に住んだのである。見ごたえのある美術展であった。

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藝大構内の巨木。この木は上野戦争も見たであろう。

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