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2013年4月13日 (土)

アルシャリーフ・ナーセル・ビン・ナーセル氏(ヨルダン中東科学研究所所長)の講演内容

三月二十七日に行われた『笹川平和財団中東政治変動シリーズ第十一回講演会』におけるアルシャリーフ・ナーセル・ビン・ナーセル氏(ヨルダン中東科学研究所所長)の「中東における水資源管理と紛争予防」と題する講演の内容は次の通り。

「農村地域における水資源のエネルギーアクセスは原子力によって満たされる。淡水化も原子力による。原子力エネルギーへの移行は新たなる問題を生じている。福島の原発事故の後、リスクを排除できないでいる。

水とエネルギーの課題解決には、アラブ域内の協力が必要。科学技術外交が重要になっている。日本は科学技術外交を行っている。

若者こそ開発の担い手。アラブ地域は若者の失業率が最も高い。若者たちは失望している。これ以上待つことはできない。優秀な人材が欧州や北米に流出している。また一部は過激主義になっている。アラブ地域は最も武装が進んでいる。この地域では国境は関係ないと認識すべし。

私の研究所は非政府機関。核の脅威などを話し合っている。みんなリスクにさらされている。その解決策を見出すための機関。超国家的メカニズムでそれをやろうとしている。能力の増強・データの共有・作業手順の合意・信頼醸成を目指している。

科学技術が課題に応えるだけでなく、ポテンシャル(潜在能力)を解き放つ。アラブの潜在性は活用されていない。

ソーシャルメディアがアラブの春で大きな力を発揮した。民主化は自由化無しに出来ない。司法の独立と報道の自由がなければ民主化は出来ない。選挙は手段であり目的ではない。フェイスブックの世代がアラブの春のきっかけを作った。

シリアの状況は地域全体にとって非常に危険。ヨルダンに四十五万人の難民が入って来た。ヨルダンには一定の能力しかない。ヨルダンは世界で四番目の水の少ない国。シリアは大量破壊兵器を持っている。深刻な状況。湾岸戦争の時、百万人の難民がヨルダンに入って来た。難民は長期的問題。十年に一回十万人の難民が入って来る。

イスラエルとパレスチナなど五カ国とのヨルダン川における水協力のメカニズムが必要。淡水化の技術がカギとなる。これは国家安全保障の根幹。淡水化技術に投資しなければならない。気候変動に対する一般市民の意識のレベルがこの地域は低い。もっと教育が必要。

シリアには化学兵器の製造拠点が五十以上ある。その安全性確保が出来ない状況。レッドラインを超えたら国際的軍事介入がある。大量破壊兵器を持った国が初めて内戦をしている。結末がどうなるか予想がつかない。シリアが崩壊した場合、七万人が殺される。我々は信念を持って難民を受け入れて来た。人々は安心を求めている。水の資源を持った国の人々がヨルダンに入って来る。フラストレーションを感じる。何処の国が持っていようとも、全ての核兵器が脅威。イランについては外交的解決が必要。軍事的オプションを取られると危険。

イランは我々にとって脅威ではない。イランは近隣諸国。大量破壊兵器を持とうとしたことがない国がヨルダン。ナイル川の水がいくつかの紛争の根幹にあった」。

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