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2013年3月30日 (土)

『皇室を戴く社会主義』について

本日、國體政治研究会にて講演された梅澤昇平尚美学園大学前教授は、民社党の本部書記、政策審議会事務局長、広報局長などを歴任された民主社会主義の理論家である。河合栄治郎の學統を継ぐ方である。最近展転社より『皇室を戴く社会主義』という著書を刊行された。

梅澤氏は著書の「序文」に、「本書は『革新派』の社会主義者が、『伝統』の中心にある皇室とどう向き合って来たのかを探ったものである。…本書ではそれ(註・共産党)以外の社会主義を幅広く検証し、日本における『革新』と『伝統』の関わり合いを模索している。…この問題は決して過去の問題ではなく、これからも続く問題である」と書いている。

傳統と革新の一致・融合は、日本的変革の原理である。維新とは「復古即革新」である。日本の伝統精神の「核」は言うまでもなく「天皇・皇室」である。天皇中心の國體を明らかにすることによって、国家革新を断行したのが明治維新である。

昭和の御代の革新運動も、明治維新の精神と行動を継承した。所謂社会主義者も、「天皇制打倒」を目指した共産党は別として、「天皇・皇室」を戴く革新を目指した政治勢力は多い。「錦旗革命」「国家社会主義」とはそういう思想であり運動であろう。

二二六事件の将校には「天皇中心社会主義」という事を主張した人があった。北一輝の「国体論及び純正社会主義」の影響を受けたと思われる。また、権藤成卿も橘孝三郎も大川周明も、天皇を変革の中心に置いた国家変革を志向したと思われる。

赤尾敏氏は、戦前は勿論戦後においても「天皇中心社会主義」を主張した。また三島由紀夫氏は全共闘との対話で「君たちか『天皇陛下万歳』と言ったら手を結ぶ」と言った。

強く印象に残っているのは、昭和三十四年四月十日、今上陛下御成婚の賢所(宮中で三種の神器のひとつである八咫鏡を祀る場所。八咫鏡そのものを祀るというより、八咫鏡を天照大御神の神魂として祀るといった方が正しい。かつては内侍が管理したため内侍所(ないしどころ)とも称された。現在は宮中三殿の中央が賢所とされる)の儀に、当時日本社会党の委員長か書記長だった浅沼稲次郎氏が参列し、かしこまって座っていた。梅澤氏の著書によると、浅沼氏は毎朝、神棚を拝み、皇居を遥拝していたという。

梅澤氏の著書によると、戦争直後の「日本社会党結党大会」では、賀川豊彦氏の発声で「聖壽万歳」を三唱し、浅沼氏の先導で「皇居遥拝」を行ったという。今日、国会に議員を送っている政党の党大会で「聖壽万歳」「皇居遥拝」を行うことはない。国旗も掲げず、国歌も斉唱しない政党すらある。

ともかく、日本の傳統の核である天皇・皇室は変革の核でもある。過去から今日において「天皇・皇室」は「無くてはならぬご存在」あった。そしてそれと共に、未来においても「無くてはならないご存在」である。今日においてこそ、「天皇・皇室」を原基とする維新変革を断行しなければならない。

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