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2013年3月10日 (日)

『新しい憲法をつくる研究会』における保利耕輔憲法審査会会長(衆院議員)の講演内容

二月二十五日に行われた『新しい憲法をつくる研究会』において保利耕輔憲法審査会会長(衆院議員)が行った「憲法改正国民投票とプロセス」と題する講演内容は次の通り。

「夏の参院選で自民党が勝ちたい。参院は現在民主党が第一党。参院民主党幹事長の輿石氏は改憲に後ろ向き。民主党は憲法改正について意見が二分。

自民党衆議院議員は議員数が三倍になった。私たちの改憲への作業の内容がまだ分かっていない人が沢山いる。『日本国憲法改正草案・Q&A』を中心にして説明している。十人を超える議員から意見が出た。安倍総理からきちんと説明した。

国防軍という新しい概念導入について安倍総理総裁から説明があった。自衛軍の英訳は、『セルフディフェンスフォース』。外国に説明しにくい。国防軍の英訳は『ナショナルディフェンスフォース』。国家を守る集団であることを明確にする。戦争経験者には軍が強くなることへの抵抗感がある。しかし国を守る力を保持する必要がある。

私は、衆議院憲法審査会会長であり自民党憲法改正推進本部長でもある。『どんどんやりましょう』というのは自民党憲法改正推進本部長としての役割。衆議院憲法審査会会長は公平に意見を聞く行司役。立場の使い分けが難しい。自民党内には改正しなくていいという人は一人もいない。改憲は党是であり党の綱領に書いてある。

衆議院の憲法審査会は予算審議があるということで開けない。野党の腰が重い。

国民投票法に先立つ三つの宿題がある。①有権者が十八歳以上だと高校在学中の人も含まれる。それで良いのか。十八歳を成人と認めざるを得ない。煙草を吸って良いということになる。選挙権は二十歳以上。②国家公務員が憲法改正運動をすることを許すのかどうか。『全ての国民がたずさわらねばならないのだから許すべし』という意見がある。『公務員は憲法を守る義務がある。特に教育公務員が改憲絶対阻止という運動をされては困るから認めない』というのがわが党の意見。③国民投票を憲法以外のテーマにも広げるかどうか。認めると何でもかんでも国民投票で決めることになりかねない。費用もかかる。代表民主主義を否定につながる可能性がある。憲法審査会の幹事会でこの三つの宿題を検討していかねばならない。

九十六条の『この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする』の讀み方が難しい。

衆参両院に同じ改正案を出さねばならない。そのプロセスをどうするか。衆参両院共同の憲法審査会を作るのかどうか。国会として一本化した改正案を衆参両院で三分の二をクリアしないと国民投票にかけられない。公明党がOKしなければ三分の二にならない。公明党は『加憲』。これも三分の二の承認を得なければならない。『人権条項をしたものにする』『緊急事態に関する条項を作る』など各党の主張がある。それをやりやすくするには三分の二を何とかしなければならない。

改正すべき点が二十項目ある。それをいっぺんに出すと国民は訳が分からなくなる危険がある。国民投票の投票率が十%でも改正して良いのかどうか。普通の選挙でも投票率は六十%。法制局は改正条項一つ一つについて国民投票にかけるという考え方。自民党改正案をそのまま出せば、国民はそれを全部読まねばならない。一項目でも反対だと全体がバツになる。理念的に憲法改正を論ずることは誰でもできるが、改正手続きは如何に難しいか。私は七十八歳。今期で終わり。九十六条改正が改憲の第一歩。私の任期中にやり遂げたい。

夏の参院選で自民党単独過半数は難しい。維新の会がどれだけ伸びるか。改憲発議は議員提案しかない。議員提案には衆議院は百人の賛同者が必要。参議院は五十人以上。建築の足場を整えるのが九十六条改正。国民投票をどういう形で行うのかテストケース。棄権防止をどうするか。最低五十%の投票率が必要」。

           ○

憲法改正手続きが簡単ではないことが分かった。というよりも『現行憲法』の改正条項はきちん整備されていない。法制局の「改正条項一つ一つについて国民投票にかける」のは不可能だ。改正する項目ごとに十回も二十回も衆参両院で発議し決議し、そして国民投票を行わねばならない。その費用が莫大になるばかりでなく、実際には不可能である。

もっと重大なのは、「國體条項」(現行憲法で言えば第一章)を二分の一で改正できるようにするのは危険である。憲法改正の要件を緩和する動きが進んでいるが、國體条項だけは除外すべきだ。というよりも、現行憲法無効宣言・帝国憲法復元が正しい道筋なのだ。何よりも「國體」を正しく継承できる。また、現行憲法改正よりも手続が簡単である。

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