« 千駄木庵日乗二月二十日 | トップページ | 千駄木庵日乗二月二十一日 »

2013年2月21日 (木)

自然に随順することが日本民族の生活規範であり哲学であった

日本人の現実重視の〈道〉を求める心、そして日本人が独善的な「教義・教条」「イデオロギー」を排する心は、何が原因で生まれてきたのかというと、やはり恵まれた日本の自然環境である。

日本及び日本人は、四季の変化が規則正しいだけでなく、全て穏やかな自然環境に恵まれている。ゆえに日本人は、衣食住はもちろん人間関係をはじめあらゆる生活の安定と豊かさは、人間が自然のままに、自然に随順して、自然を規範として生きることによって、実現することができた。自然に随順することが生活規範であり哲学であったと言っていい。

これが、日本民族が現実を肯定し、自然を神として拝む態度で生活し、殊更に論理や教条を構築する必要がなかった原因であると考えられる。

日本人は自然そのもののみならず、歴史からも「道」を学んだ。わが國に傳わる「道」は歴史に現れているのだから、体系としての世界観や人倫思想基礎を人為的に「さかしらなる知識」をもって言挙げし作りあげなくとも、日本の國の歴史の事柄・事実に学べばよかったのである。

つまり、日本民族は、ユダヤ教など一神教の律法、ギリシャ哲学のロゴス、佛教の法、儒教の礼というような、規範・教条を持たなかった。その事は日本傳統精神が劣っているという事ではない。むしろ、日本傳統精神が柔軟で自由で大らかにして且つ強靭である事を証しするのである。だから仏教も儒教も受容し日本化したのである。

|

« 千駄木庵日乗二月二十日 | トップページ | 千駄木庵日乗二月二十一日 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121949/56807901

この記事へのトラックバック一覧です: 自然に随順することが日本民族の生活規範であり哲学であった:

« 千駄木庵日乗二月二十日 | トップページ | 千駄木庵日乗二月二十一日 »