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2013年2月10日 (日)

『農山村&銀ぱちフォーラム 国益とは?今、TPP交渉の本質を考える』における登壇者の発言

二月一日に銀座の紙パルプ会館にて、『農山村&銀ぱちフォーラム 国益とは?今、TPP交渉の本質を考える』における登壇者の発言。

藻谷浩介日本総合研究所調査部主任研究員「日本の工業出荷数は減っていない。工業労働者は三割減。工場内オペレーションの問題。日本の輸出数は増えている。震災後も変わらない。日本はリーマンショックでも赤字にならなかった。中国が栄えるほど日本は栄える。貿易は中国・韓国・台湾・シンガポール・インドの全てが、日本が黒字。アメリカが不当に自動車の関税をかけても日本が黒字。TPPを今すぐやらないと国が亡びるというのは駄目。農産物の輸入の十分の一以下が食料品。あとは飼料。アメリカが日本の市場を狙っているというが、大した市場ではない。大震災やオイルショックでも黒字は減らない。中東が赤字の原因。油買いで赤字になっている。日本は油を買い過ぎている。輸出を増やせば増やすほどアラブに払うお金が増える。アメリカは日本に対して大赤字。アメリカは自動車産業を犠牲にして関税を撤廃できるのか。日本は過剰生産力があり、造り続けたい。アラブの金はヨーロッパに流れる。アメリカは日本に毎年六兆円払っている。儲かりもしない大量生産は止めなければならない。シェールガスはかなり自然破壊しないと採れない。アメリカはアラブから石油を買わなくなる。そうすると日本にとって石油が安くなる。ロシアは日本の天然ガスを売りたい」。

蔦谷栄一農林中金総合研究所特別理事「高い関税で守られてきた品目(サトウキビ・酪農など)が、TPPによってかなり大きな影響を受ける可能性あり。農業産出額が半減する。北海道は日本の食糧基地。農業に対する依存度が高い。北海道は大きな影響を受ける。農業生産は四・一兆円減。食糧自給率も半減。食糧安保にかなりのインパクトがあることを想定すべし。国土保全機能を喪失しかねない。農業のべースにあるものは地方共同体・自然・土地・環境。食品安全基準がTPPによりアメリカスタンダードになる。TPPはアメリカの生き残り戦略。金融資本主義のアメリカにとって都合のいい国際ルールを作ろうとしている。TTPは新自由主義の徹底。小泉構造改革と同じ。我々がどういう社会を目指すのかを考えるべし。円安誘導で景気回復を狙っているが、内需拡大をどうやって実現するかが大事。自然の摂理をいじることは許されない。不合理の世界でやって来たのが農業。それを包含しつつ農的社会、命を大切にし、多様性を認めて各国が共生できる社会を目指すべし。厄介なのは日米同盟。アメリカの枷からは出られない。生産者と消費者が一体化すべし。国民がみんな農業に関係する社会を目指すべし。流通情報のセッティングが大事。『金で全てが買える。国が何とかしてくれる』という時代は終わった。自立の時代」。

水野誠一一般社団法人Think the Erth理事長「化学会社が種を牛耳るようになった。農薬と種をセットにして売るようになった。中国が農薬を使いまくっている。二〇一二年のアメリカの『食品安全近代化法』(FDA)によって食糧生産者に農薬の使用が強制され、それを我々が食べることによって害を蒙ることになる。『農家が在来種の種子を採集し、保存し、蒔き種してはいけない』という条項がある。これにより遺伝子組み換えのF1種の種子を毎年種業者から買わねばならない。これには麻薬中毒の悪循環に近いものがある。二〇一三年に『モンサント保護法』が通過すれば、安全審査を経ていない遺伝子組み換え作物の耕作が可能となり、その間、農民、消費者と環境を危険にさらす。司法審査の概念を徐々に蝕み、消費者の権利と環境を保護するための憲法上の命令を裁判官から剥奪することになるであろう。除草剤であるラウンドアップに耐性を持つ雑草が増え、より強力な除草剤が使われるようになっている。TPPのISD条項が効いて来る。『遺伝子組み換え大豆不使用』の表示をしてはいけないという条項に違反すれば国際投資紛争センター(世界銀行の部組織)に日本政府が訴えられる。世界銀行はアメリカそのもの。IМFはヨーロッパ。食料品の質を考えた時、TPPは非常に危険。二十世紀は西洋文明に従ってきた。二十一世紀はその矛盾・常識をリセットして考えるべし。少子高齢化の流れは止まらない。成長から成熟へ。文化を大切にする。発電が足りなくなるのなら、生産のあり方を変えるべし。節電は発電の一種。自動車は売るのではなくリースにすべし。パチンコは止めるべし。TTPに入れば輸出が伸びるという常識を捨てるべし。アメリカは旱魃の恐れあり。人類は自然の摂理から『いい加減にしろ』ということを突き付けられている。海底に二百年分のメタンガスが眠っている。採り出す実験が始まっている。シェールガスに優るメタンハイドレードにメリットがある。アメリカの最大の産業は戦争産業。それが続かない。アメリカは遺伝子組み換え食品を売りつける」。

色平哲郎JA長野県連厚生連・佐倉総合病院地域ケア科医長「TPPで薬価は安くならない。上がるであろう。韓国の動向を見ればわかる。薬価が膨らむと人件費に影響する。国民皆保険でありつつここまで経済成長したのが日本。日本医療と日本社会の根幹を支える国民皆保険制度が内からの制度崩壊と外圧で危機的状況にある。医療制度をアメリカ型市場原理至上主義へ捻じ曲げるTTPに日本が加入すれば、国民皆保険は風前の灯となるであろう」。

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