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2013年1月27日 (日)

鈴木邦男氏のインタビュー記事を読んで思う

今日資料の整理をしていたら、私の先輩である鈴木邦男氏のインタビュー記事が出て来た。『朝日新聞』昨年十一月二十二日掲載のもので、「天敵がいなくなった右」と題されている。

その中で鈴木邦男氏は、「石原慎太郎さんの主張は四十数年前とほとんど変っていない。今のように『軸』が右に大きく動いている状況下で、石原さんが多数派になることに対して違和感を覚える。石原さんの『強さ』は少数派に身をおいてこそ光る」と語っている。

私は石原氏の考え方・姿勢が多数派にはなっていないと思う。石原氏は絶対権力者ではないから、あの程度のことを言っても危険とは思っていない人が多いのではないだろうか。むしろ爽快感を抱いている人が多いと思う。私もその一人である。また今となっては石原氏が総理大臣になる可能性も低いと思う。ご本人も「武蔵坊弁慶になる」と言っている。

私が石原氏に危惧を覚えるのは、彼の國體観・天皇観である。真の尊皇精神即ち天皇へのかしこみの心があるのか、日本伝統信仰に対する深い理解があるのか、それが疑問なのだ。日本伝統精神に対する深い理解そして真の尊皇精神が欠如したナショナリズムは危険である。石原氏の問題点は実にここにある。そういえば、慎太郎氏にとっての九郎判官義経たる橋下大阪市長は、維新を標榜しているが、國體に関する思想は全く語っていない。真の維新とは、尊皇攘夷を基本理念とする変革である。橋下氏はそのことを正しく理解してもらいたい。

鈴木氏は「右翼的な主張をしている人は天敵がいなくなった動物みたい。増殖して生態系を破壊するのではないか心配」と論じている。「右翼的」という言葉の定義がまず問題である。右翼的=反共というのは誤りだ。それは鈴木氏自身よく知っていると思う。日本の右翼とは、維新即ち日本國體の眞姿顕現を目指す勢力である。そうした右翼にとって天敵は全くなくなってはいない。むしろ天敵が増殖している。皇室を誹謗し日本の伝統を破壊せんとする勢力は強大でありしたたかに蠢いている。

鈴木氏はさらに言う。「憲法を変えればすべてが良くなる、憲法さえ変えればすべてよくなるなんてことはあるはずない」と。これは理解できる。野村秋介氏は、「一粒の薬を呑めばすべての病気が良くなるということはあり得ないし、そういう考え方は危険だ」と言っていた。これは「共産革命が起ればすべてが良くなる」という考え方への批判であった。憲法も然りだ。『現行憲法』は日本を亡国に導いているから、一刻も早く無効を確認し、『帝国憲法』を復元せしめねばならない。しかし、そうすればすべてが良くなるわけではない。しかし、今よりは良い国になることは確かだし、亡国的危機から脱することは確かである。

鈴木氏は、「結局人間にとって大きいのは、何を教えられたかよりも、誰に教えられたかです。政治も本来そういうものだと思う」と言っている。思想も政治も教育もすべて人が根本である。人が変わらなければ良い思想も、良い教育も、良い政治も生まれない。だから道義と信仰が大切なのである。わが日本は、天皇を祭祀主と仰ぐと信仰共同体であり、道義国家である。日本國體の眞姿回復が最も大切なのである。

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