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2012年12月14日 (金)

この頃詠みし歌

夕空に浮かぶ満月刻々と光増し来るあざやかさかな

母が待つ千駄木の空に満月が皓々として冴へ返るなり

十二月となりたる今日はベートーベン第九を聞きつつ朝の掃除す

便りなき友を思へばうら悲し縁(えにし)はかくて薄れゆくかな

朝明けて窓開きなば子供らの声が聞こゆることのうれしさ

朝な朝な天津祝詞を唱へればふつふつとわく我が力かな

久しぶりに来たりし殿堂人気無く森閑としてさみしかりけり(生長の家本部)

抜け殻の如き殿堂の中に入り本を買ひたり懐かしき本を()

垂乳根の母といふ言葉胸を打つ斉藤茂吉の歌集讀みつつ

幾千歳生きたまへとぞ祈るなりわが母と共にパン食しつつ

夕暮に靖國神社に参り来てライトに浮かぶ大村像を仰ぐ

夕暮の街を駅へと急ぐ時 行き交ふ人も忙しげに見ゆ

五十年ぶりに逢ひたる人は健やかにそれその夫と寿司食しゐる

日の本の國に生き来て今日仰ぐ天つ日の光にわが命燃ゆ

身に浴びる朝の光はすがしくて今日生きて行く力みなぎる

黒龍といふ酒うまし今宵またちびりちびりと呑みて楽しむ

時の移り止めるすべなし散り敷ける落ち葉踏みつつ道歩み行く

寝不足の身を横たへてゐる時に携帯電話が鳴り響きたり

アメリカに囚はれし同胞の作りたる工藝品を見つつ涙す(『尊厳の美術展』参観)

民族の誇り忘れずといふ言葉 書かれし俳画に涙さしぐむ()

贈られし讃岐うどんを食しつつ父の故郷の四國を思ふ

阿波の國より都に来たり我を育てこの世を去りし父を思へり

みいくさを戦ひ戦後を生き抜きて九十二歳で世を去りし父

苦しみて逝きし父上を思ひ出し年の暮れにも悔しみてをり

一仕事終へたる後の夜の更けに一人くゆらすタバコの煙   

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