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2012年11月19日 (月)

高乗正臣平成国際大学副学長(憲法学会理事長)の講演内容

高乗正臣平成国際大学副学長(憲法学会理事長)の講演内容は次の通り。

「憲法改正のあり方を明確にすべし。①一部文言の改正②帝国憲法復元③現憲法無効・破棄④自主憲法制定、の四つがある。GHQによってリンカーン誕生日の二月十二日までに民政局員によって改正案が作られ。形の上では『帝国憲法』の改正手続きによって改正したことになっている。

『現行憲法』が有効か無効かについて議論が分かれている。宮沢俊義によって『八月革命説』が唱えられた。これがいまだに生きていて学界の多数説になっている。『ポツダム宣言』受諾におけるわが国の申し入れに対する昭和二十年八月十一日の『連合国回答(バーンズ回答)』は、『最終的の日本国の政治形態は『ポツダム宣言』に遵い、日本国民の自由に表明する意思により決定せらるべきものとする』というものであった。宮沢氏は、『これは、日本の政治についての最終的な権威が国民の意思にあるという事即ち国民が主権者であるべきだ、という事を意味しているから、この回答を前提に「ポツダム宣言」を受諾したと同時に我が国に「革命」が起った。「日本国憲法」は革命によって新たに主権者となった日本国民により有効に制定された憲法である』と論じた。

しかしこの宮沢氏の議論には根本的な疑問がある。『バーンズ回答』にある『日本国民の自由に表明する意思』による政府の樹立とは、『大西洋憲章』や『国連憲章』にある『外国の干渉を受けることなく自国の事は自国で決める』という民族自決原則の表明であり、『国民主権』を要求すると解釈するのは無理。また『日本国民の自由に表明する意思』の『国民』(Japanese people)とは、天皇に対立する国民ではなく、日本国を構成する日本の人即ち日本國人と解すべきである。天皇以外の日本国民と解するのは無理。主権(政治の最終決定権)が、天皇から国民へ移行したということは事実ではない。主権は連合国最高司令官に移行した。『八月革命説』は完全に破綻した。『八月革命説』による日本国憲法有効説は根拠に欠ける。

佐々木惣一氏は改正無限界説。『「現行憲法」は、「帝国憲法」七三条の手続きによって成立したものであるから、革命によって成立したのではない。「日本国憲法」は欽定憲法である』と言う。

しかし、『ポツダム宣言』受諾後も『帝国憲法』が有効だとする説は疑問。『現行憲法』は『天皇及び日本国政府の国家統治の権限』が『連合国最高司令官の制限の下に置かれ』た状況で成立したのだから、『帝国憲法』はその機能を停止していたと解さざるを得ない。『現行憲法』が有効に成立したとの前提に立つ『改正論』は法理の上で無理がある。

井上孚麿・相原良一両氏の『現行憲法無効論』は、①わが国の国家統治の権限が連合国最高司令官に従属していた時期に行われた②現行憲法成立過程で占領軍の不当な威迫・脅迫・強要が行われた。③占領者は絶対的な支障が無い限り占領地の現行法を尊重すべしと明記された『ハーグ陸戦法規』(一九〇七年)に違反しているから、占領下の『帝国憲法改正』は無効であるという主張である。

竹花光範氏は、「憲法は憲法制定権力を行使して作られ改められるべきものである。したがって、占領下には憲法制定・改正はあり得ない。とすれば『日本国憲法』は、名称は憲法であっても、実態はわが国を占領統治するための『基本法』『占領管理法』である」という主張である。

ポツダム緊急勅令など一般の占領管理法は、占領終了時に廃止されたが、『日本国憲法』は廃止されなかった。天皇を含む日本国民が『日本国憲法』に対して憲法として黙示の承認を与えたと見れば、昭和二七年四月の独立回復時に、『日本国憲法』は主権国家日本の正式の『憲法』になったと言えよう。この立場からすれば、改正は九六条の規定に基づいて行うのが筋という事になる。

『国民主権』という言葉は多義的。統治権という意味もあり、国家権力の独立性という意味もある。『帝国憲法』に『主権』という言葉を使わなかったのは英知。『地域主権』という言葉があるが、大阪市に国の政治を決定する最高権力があるという事になる。今生きている国民に最終決定権があり、なんでもオールマイティに決定して良いとは思わない。過去・未来の人々を含めた歴史的国民共同体に主権があるという意味なら肯定できる。主権は広いスパンで考えるべし」。

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