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2012年11月 4日 (日)

ダニエル・I・オキモト氏(スタンフォード大学名誉教授)の講演内容

「私の中学高校大学時代は日本の経済成長が目覚ましかった。日本は大戦後の廃墟から立ち上がって九十年代まで羨望を集めた。今日の中国の経済成長を思わせる。石油危機で経済成長が鈍化。バブルが崩壊。その後二十年間は経済の劣等生になった。ジャパンパッシングが米国で起こった。スローモーションで破綻に向っている。GDPの二三〇%の負債を抱えている。二〇年間デフレを止めることが出来なかった。立ち泳ぎをしている状況。二一〇〇年には日本の人口は六千四百万人になる。毎年人口が八十万人減っている。

しかし日本人は失われた二十年が続いても、大震災があっても、IМF債務残高が持続可能ではないと報告しても危機意識が欠如無し。新しいエレクトニクスの世界でソニーは競争できなくなっている。電気技術の分野で後れを取っている。製造業の分野で未来が不確実になっている。女性は四十八%しか労働に参加していない。女性の給与は男性の六〇%にとどまっている。外国人の比率は全人口の二%にとどまっている。熟練した労働者が外国から入って来ていない。世界から人材を集めずしてイノベーションを実現できるのか。

全電力の〇%まで原発を削減するのか。エネルギー価格高騰で製造業が海外に移る。日本においてグローバルガバナンスの問題あり。アメリカでもその問題が浮上している。アメリカは日本よりも悪い状況。狭量な自己利益を優先して国益を無視している。多くの資本主義国がそうした状況になっている。

中国で景気の鈍化が起っている。中国において深刻な縁故主義、政治腐敗あり。環境汚染は限界に達している。シリアは全面内戦。トルコ・ヨルダンに影響する。中東の不安定は深刻。予測できない。石油危機が起こる可能性あり。日中は尖閣問題あり。世界でナショナリズムが台頭。

革命的技術が生まれている。高速なIT処理能力が金融・製造業界を変革させている。ここに成長の機会を見ることが出来る。医学における飛躍的進展もある。イノベーションの分野で日本はインフラ投資ブームを迎えている。欧米も然り。インフラ革新を行っている。この分野で好景気に沸くような状況にある。

インフラ市場に参入出来た国が業界標準をつくり、三十年から四十年事業を維持できる。JRの高速鉄道などで日本は優位に立っている。五十年間にわたって日本は高速鉄道技術を開発してきた。五十年間死者は出ていない。これは素晴らしい。日本の技術的宝。その技術は世界に出て来ていない。鉄道インフラは大きな需要が生まれる。再生可能エネルギーの日本の技術に機会が生まれる。JR研究所は送電ケーブルを開発した。これを海外に売る。チャンスは大きい。日本には十五兆円の企業と家庭の貯蓄がある。インフラの投資に使うことが出来る。ヘルスケアを開発する。部品を造っている中小企業をグローバル化すべし。金融を活用してインフラ投資をするべし。そのために半官半民のインフラ投資銀行をつくるべし。低利で融資を行う。産業基準を作るべし。

シリコンバレーは世界における革新のセンター。一九三〇年代以来、グーグル、ヤフーなど三万九千以上の最先端の企業を作った。日本は女性を労働市場に完全に取り込み活用すべし。八二〇万人の女性が働き始めるであろう。海外から優れた人々を呼んで市民権を与えるべし。自己満足から目覚め、危機意識を持って再建していかなければいけない。歴史的なチャンスをつかみ、繁栄し成功する今後の日本を見たい」。

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