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2012年8月28日 (火)

日暮高則氏(アジア問題ジャーナリスト)の講演内容

八月四日に開催された『アジア問題懇話会』における日暮高則氏(アジア問題ジャーナリスト・元時事通信社香港特派員)の「ますます中国化する香港」と題する講演内容

「香港ドルが衰退し人民元が闊歩。大陸の人がたくさん来ている。香港の人は人民元を欲しがる。しかしコンビニやタクシーではまだ使えない。一国二制度は可能だが、一国二通貨は難しいと言われる。

大陸の政治内幕本が多い。羊頭狗肉の本もある。薄熙来事件の内幕や、陳希同日記が売れている。大陸から来た人が買う。ブランドショップが多い。大陸の金持ちが香港に来る目的はブランド物を買うこと。不動産価格は一時下がったがその後盛り返してきた。九七年当時の不動産価格に戻った。普通語の普及が増している。

毎月九十万から百万の観光客が大陸から来る。香港人との軋轢あり。トイレを汚す。列に割り込む。禁止場所で喫煙する。大陸人のマナーが悪いので、香港人のマナーが良くなった。昔は香港人のマナーは良くなかった。逆効果が生まれた。

大陸から香港に出産に来る妊婦が激増。香港は医療と福祉がしっかりしている。香港は出生地主義。戸籍が香港になる。大陸に何かが起ったら、香港に来てここから外国に逃げようという事か。九・五万人の新生児の内、四・四万人が大陸人の子。産院が満員になり、香港人が子供を産むのが大変になり、デモが起った。『妊婦から特別税を採れ』『受け入れ制限をしろ』という意見が強まっている。

『香港経済は中国の繁栄で支えられている』などという大陸人による香港人への差別発言がある。今年一月下旬に、孔子の七十三代目の子孫を名乗る孔慶東北京大学教授が『香港人は中国人と思っていないようだが、彼らは植民地時代に英国人から犬扱いされて来たので、人間ではなく犬なのだろう』と語ったことで、香港人の怒りは頂点に達した。以前は、香港人は大陸人を馬鹿にしていた。経済的地位の逆転について香港人は忸怩たる思いがある。

八六・九%の人が、返還前と比べて報道の自由が後退していると答えた。政治的自由は縛られる方向。『港人治港』は確実に『党人治港』になった。

『大陸の香港化』は、『六・四天安門事件』の見直しが前提。習近平の父親の習仲勲元国務院副総理は、胡耀邦と滅茶苦茶に仲が良かった。胡耀邦失脚の時にかばった。習近平は胡耀邦を見直さざるを得ない。それが政治体制の変革になる可能性あり。それによって共産党が対内的に国民の支持を得る事は、日本にとっては危険。『六・四』の見直しによって共産党の求心力が高まることは危険」。

       

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